オプション加工を有効活用!
先日、NPO法人「紙飛行機サイエンス」が主催する折り紙ヒコーキ体験会(ワークショップ)に参加してきました。講師は全日本紙飛行機選手権大会で3回の優勝を誇る、「紙飛行機サイエンス」理事長の小松秀二先生(日本航空宇宙学会/日本紙飛行機協会所属)です。
このNPO法人「紙飛行機サイエンス」は「紙飛行機を核に、子どもから大人・熟年層までを広く対象にした紙飛行機教室やイベント、サイエンス・エンターテイメントなどの開催や指導を通して、科学技術の振興、子どもの健全育成、および世代を超えたコミュニケーションの活性化に寄与すること」と目的として設立され、各地で体験イベントを積極的に開催しています。
ちなみに、ギネスブックが認定する、折り紙ヒコーキの最長滞空時間は何と29.2秒!しかもレコード・ホルダーは折り紙ヒコーキ協会会長の戸田拓夫さんということで、日本にとてもゆかりのある競技なんです。 地球上の全てのものには引力が作用しますから、どれだけの力で投げたとしても、いずれ落下してしまいます。飛行機は空気に対して揚力を生み出すことで、地球の引力に対抗して一定時間飛び続けることができるわけです。
当日はそんな飛行機の簡単な原理から、よく飛ぶ折り紙ヒコーキの作り方、手やゴムを使ったカタパルト(発射台)による上手な飛ばし方、より長く、より高く飛ばすための調整法まで、親切丁寧に指導していただきました。
正直、これまでイメージしていた紙ヒコーキとは全然違う作り方で、最初は戸惑うこともありましたが、どうにか形にすることができ、体育館の天井まで届く勢いで飛ばすことができました。翼のほんのわずかな歪みによって飛ぶ方向や安定性がガラッと変わる経験を通して、航空工学の一端に触れたような気持ちにもなれました。
印刷に携わる者としてどうしても気になるのが「どんな紙を使うのか?」ということでした。小松先生によると、厚さ110kgのコート紙、しかもB5版が最も適しているということでした。コート紙というのは表面にコート剤を塗布し、滑らかにしたツヤのある紙で、両面に微光沢があり、写真などがキレイに表現されるということで、冊子印刷ドットコムでは表紙用の紙として人気があるものです。
厚さ110kgというのは少しイメージしにくいかもしれませんが、駅によく置いてある旅行パンフレットにもよく使われている紙ですから、実際に手に取ってみてどんな厚さなのかを感じてみてください。紙の厚さにどうして重さの単位である「kg」を使うのかについては過去記事をご覧ください。
ただし、日本の印刷物の多くはA4版(210mm×297mm)ですから、折り紙ヒコーキを作るためにはB5版(182mm × 257mm)にカットする必要があります。もちろん、A4版で作っても飛ばすことはできるそうですが、縦横比や翼の面積と重さの関係を考慮するとB5版が最適ということでした。
「A4版の紙をいちいちB5版にカットするのは面倒だなあ。しかもコート紙なんてどこに売ってるの?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。そこで活用してほしいのが冊子印刷ドットコムのオプション加工「ミシン入れ加工」です。
例えば、B5版で冊子を作り、最初の数ページを使って折り紙ヒコーキの作り方や飛行機に関する豆知識を説明し、その後のページは折り線のガイドが入った折り紙ヒコーキ用のページとするわけです。飛行距離や滞空時間を書き込めるページを作っておくのもいいかもしれません。
何度も飛ばして墜落すると、どんどんヒコーキの形は歪んでいき、調整が間に合わなくなってしまいます。それに、あらぬ方向に飛んでしまい失くしてしまうことだってあるかもしれません。手で簡単に切り離せるミシン目状の切り込みを入れておけば、1枚ずつ切り離してヒコーキを作ることができますから、そんな時は、またページを切り離して作り直せばいいわけです。
また、折り紙ヒコーキに使う紙は平面性がかなり重要になります。背表紙を作れるくるみ綴じ(無線綴じ)なら、持ち運びの際にも歪みや曲がりが生じにくいので折り紙ヒコーキ用にはピッタリです。
冊子印刷ドットコムでは小ロットの印刷も承っていますので、学校単位でのご注文はもちろん、友人同士のグループや地域のサークルまで幅広く柔軟にご対応いたします。「こんなこともできるかな?」「こんな時はどうすればいいのかな?」とご不明な点がございましたら、何なりとご相談ください。
最後に1つご注意を。折り紙ヒコーキは予期せぬ方向に飛んでいくこともありますし(それが面白いわけですが)、カタパルトを使って飛ばすと意外とスピードが出てしまいます。実際に飛ばす際には、学校の校庭や体育館のような、なるべく大きく広い場所を使いましょう。一般の公園のように不特定多数の人が出入りする場所は避けるようにしてください。
今回参加したワークショップでは、危険防止のために帽子の着用も推奨されていましたし、機首部分にはスポンジ製のクッションも貼っていました。ぜひ怪我のないようにお楽しみください!