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スタッフ日記

背幅の計算方法

冊子印刷の仕事では本文はデータや紙原稿での支給が多いですが、表紙は制作になることがよくあります。
その一番の理由は「背幅」です。


背幅とは・・・

本の背文字のある部分の幅のことです。



紙の厚みとページ数で決定しますが、この計算を間違えると背文字のバランスが悪くなり、最悪の場合は表紙面に文字がはみ出すなんてこともあります。

中綴じの本では背幅の概念自体ないので考えなくても構いませんが、無線綴じでページの多い冊子の場合、たとえ背文字がなくても注意しないといけません。

表紙に限らず、印刷では「ヌリタシ」や「断ち切り」と言って、印刷面を実際の仕上げサイズより3ミリ程度大きく印刷し、仕上げの断裁で白い部分(印刷されていない部分)が仕上げに入ってこないようにします。

表紙の場合、本のサイズ×2(表と裏)+背幅に両サイド3ミリずつこの「ヌリタシ」を取っておきます。
つまり、もし背幅の計算を3ミリ以上間違えると、本の端に印刷されていない部分が入り込んでしまい、不細工な仕上がりになってしまいます。

もし、表紙が本のタイトルの文字だけの場合でも、背幅の計算を間違えると「とんぼ」が仕上げにかかってしまう場合があります。

このようにたかが「背幅」ですが冊子印刷においてはされど「背幅」なわけです。

では自分で表紙を作成する場合どうすれば間違いがなくすむか?
一番簡単な方法は印刷会社に聞くことです。
発注先が決まっている場合、その印刷会社に聞くのが一番確実です。

印刷会社にとって入稿データに不備があるくらいなら事前にしつこいくらい色々聞いてもらって間違いのないデータを入稿いただいた方が安心して作業が進められます。
ですので、背幅に限らず分からないことがあれば是非一度問合せてみて下さい。


↓計算方法↓





背幅は上にも書きましたが「紙の厚み」と「ページ数」で決まります。

ここでは本文によく使われる上質紙での計算方法を紹介します。



上質55kg 紙厚0.077mm×ページ数÷2

上質70kg 紙厚0.095mm×ページ数÷2

上質90kg 紙厚0.121mm×ページ数÷2

上質110kg 紙厚0.151mm×ページ数÷2



途中何枚か色紙が入ったりする場合もあると思いますが、よほどかつかつで背幅を作っていない限りは0.5ミリ程度までは誤差の内です。

ここで忘れてはいけないのはページ数を2で割ること。
最初に背幅は「紙の厚み」と「ページ数」で決まると書きましたが、実際は「紙の枚数」で決まります。
紙1枚=両面で2pになります。
つまり2pで1枚になるので、ページ数を2で割ることを忘れるととんでもないことになります。

まあ、背幅1ミリ程度(70kgで20pくらい)ならあまり気にしなくても何とかなりますけどね。


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