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印刷・製本コラム

PUR製本ってどんな製本方法なの?

ぱらぱら

PUR製本というのはまさしく次世代の製本方法だといえます。
印刷とひとまとめにしても、印刷をするのはあくまで製本という流れの1つの行程です。
この製本における行程ですが、製本も進化をし続けています。

一般的だった中綴じ、無線綴じ、平綴じなど、そして並製本や上製本を利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
そして、PUR製本という製本方法もあります。

PURって?


このPURというのはどのような意味があるのでしょうか。
PURは、Poly Urethane Reactive Hot-melt Adhesiveの略称です。
反応性ポリウレタン系ホットメルト接着剤をさします。

このPoly Urethane Reactive Hot-melt Adhesiveは、印刷業界だけではなく建築用パネルや自動車内装材といった分野においてはとても広く使用されています。
そして、近年になって製本糊としても使用されるようになりました。

PUR製本は、一般的な製本糊でもあるエチレン酢酸ビニル、つまりホットメルトに比べて、開きが良い本を作れるのはもちろん、非常に丈夫で長持ちする本を作れます。
さらに環境に優しいといった様々なメリットがあり高く評価されているのです。

特にヨーロッパにおいては広く普及しており、ホットメルトに代わる製本糊としての主流になっています。
これまでページ数が多いためにハードカバーでなければ製本できなかった本も、PUR糊を使用した並製本にすることができるようになっており、短納期、コストダウンを実現できるようになっています。

ひらく「

PUR製本の魅力


PUR製本の特長ですが、なんといっても開きやすいことです。
柔軟性が高いですので、ノド元まで確認できるくらいによく開ける本が作れます。
強度も高いので、ページ数の多い辞書、カタログなどにも最適です。
大きく開けるので、開いた本を開いたままでもしっかりと置くことができるので、読みながらなにかをする時、つまり料理本やマニュアルなどにも適しています。

そして丈夫なのも大きな魅力です。
糊と接しているノド元まで印刷したとしても劣化しません。
ノドに絵柄がある場合には、EVA糊と印刷インキと科学反応を起こしますので、糊がつかなかったり、シワになるといったこともあります。
しかし、PURなら写真集や図鑑など多くのページに絵柄がノド部分にまである印刷物でも問題はありません。

EVA糊のほぼ倍の引張り強度が得られるので、参考書、テキストのように何度も繰り返し開いたり閉じたりする書籍にもぴったりです。
耐熱、耐寒性も高いので、夏には高温になる車内でも、冬場でも本がひどく劣化してしまうこともありません。

環境に優しいのも大きなメリットです。
本の背を切断することなくリサイクルできます。
日本印刷産業連合会の古紙リサイクル適性ランクリストにおいても最高ランクに分類されており、リサイクル適正が非常に高い書籍を作りたい時にも最適です。


PUR製本の行程って?


PUR製本は専用の機会で製本します。
PUR製本専用の糊を流し込み製本用糊をセッティングします。

PUR製本は、この糊に最大の特徴があります。
これまで使用されていた糊の2倍の強度があります。
耐久性も高いので、マイナス30度からプラス100度という広範囲において冊子の形状を維持できます。

今までの製本では過酷な環境では紙の引き抜け、割れといったものが発生しがちでしたが、そのような心配も必要ありません。

ただ、PUR製本の糊はとにかくデリケートです。
この糊を使った工程もまたデリケードです。
糊を製本機に投入してから3時間から4時間の間に製本を終わらせておかないと冷えてしまいます。
一度固まった糊は簡単にはもとにはもどりません。
それだけ強度が高いからです。

そのため、製本行程を徹底的に管理したうえで、糊を使う時にはまとめて使用しなければコストアップになってしまいます。
PUR製本を導入すれば頑丈な製本ができるはずなのに、全ての業者が導入しないのにはこの製本コストが高いということがあります。

製本工程の効率化、そしてスケジュール管理をしていなければPUR製本はコストが高くなりますので、なかなか導入できないのです。
しかし、同時にメリットのとても多い製本形式であるのには違いありませんので、コストがかかっても良いものを提供したいという業者もあります。

PUR製本は強く、頑丈で長期的に保管できる製本方法です。
ただ、コストがかかりますし、薄く数を多く作りたい冊子の場合にはあまりメリットがありません。

ページ数が少なければそこまで強度は必要ありません。
また、大量に製本したいとなるとコストがかかる製本方法では困ります。
そのような理由からもPUR製本を用いるのであれば、ページ数が多く、なおかつ長期的に保管したいもの、もしくは毎日頻繁に使用するのを考慮したうえで製本したいものに対して用いるようにするのが理想的です。

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