あじろ綴じってどんな製本方法なの？強度はどのくらいあるの？
あじろ綴じの強度はどのくらいなのか、というのは実は一概には言い切れないところがあります。
というのも、あじろ綴じとはいっても、いろいろな要素が絡み合って、そして強度もまた変わってくるからです。
あじろ綴じと無線綴じではどちらが強度が高いのかというのが気になる方も多いと思いますが、この強度については一概にはいえないということです。
あじろ綴じと無線綴じは違うもの？
綴じ方の仕組みをしっかりと理解して、納得したうえで決める必要があります。
無線綴じとあじろ綴じというのは同じものだと思われがちですが、構造上の違いがあります。
無線綴じでは、折り丁の背面部分を切り取ってからページをバラバラに切り離します。
そして露出した紙の断面部分に接着剤を塗りつけて、固めることによってそれぞれのページをつないでいきます。
その一方で、あじろ綴じというのは、折り丁の背面部分に15�个曚匹寮擇蟾�みを入れて、5�伉�度のミシン刃を入れます。
そして15�个粒�口部分、開口部分との間に5mmほどのつなぎ部分を残しておきます。
あじろ綴じではそれぞれのページがお互いに対応をするページがつながっています。
無線綴じとの違いがこのつながっている、という部分です。
この状態で開口部分から、接着剤を中折りの段階まで押し込んでそれぞれのページをつなぎとめます。
このように構造上の違いがありますので、万が一接着部分がはがれてしまったり、解離してしまった時のことを考えると、あじろ綴じの方が強度は高くなります。
また、使用しているうちにバラバラになってしまうようなこともありません。
ただ、あじろ綴じの場合にはカットした部分から接着剤が浸透していき、中折部分まで到達していなければなりません。
しかし、中折りの浮き、ミシン目と折り位置とが少しでもずれてしまうと接着剤が中折部分まで十分に届かないために紙抜けのリスクが高くなります。
呼んでいるときに、ページがすとんと抜け落ちるようなことになるのです。
一般的に使用されるホットメルトというのは、上製のエマルジョン型接着剤に比べてとても粘度が高くなりますので、大きなリスクを伴うことになります。
あじろ綴じが本来の強度を発揮するためには、折り丁が一定の水準に達していなければならないのです。
折り丁の品質が一定水準にあるというのが大前提で、あじろと無線とを比較してみると、次のようなリスクもあります。
あじろと無線綴じとの比較
紙の連量が110�圓鯆兇┐討靴泙Δ函∋罎旅�が強くなりすぎますので、本を開いたときに背面部の接着層に負担がかかりすぎてしまいます。
その結果、背割れを起こしやすくなってしまいます。
一度背面割れが起きてしまうと、無線綴じの場合、1枚ずつ抜け落ち始めてバラバラになってしまいます。
ただ、あじろ綴じの場合にはページ部分がつながっているので、ちょっとしたことではバラバラになってしまうこともありません。
厚めの用紙を使用するのであればあじろ綴じの方がやはり無難です。
無線綴じの限界というのは、大体110�圓阿蕕い塙佑┐討�くと良いですよ。
135�圓鯆兇┐襪茲Δ文�紙を使用するのであれば、あじろ綴じでもリスクが高くなりますので、状況によって糸かがりをするというのはとても重要になります。
その一方で、薄手の紙で折り数が多くなると、中折の浮きがでやすくなりますので、コシの弱い用紙の場合にはカットした部分から高粘度の接着剤を押し込むのがとても難しくなりますので、マイナス要因が増えてしまいます。
輪転ものであれば印刷の品質がとても大きく関係してきます。
事前に打ち合わせをする段階でしっかりと把握しておく必要があります。
用紙の種類でチェックする
上質、中質紙を使用している場合は、強度や耐久性ともどの綴じ方でも問題はありません。
しかしコート紙の場合には上質紙、中質紙に比較をすると適量である割りに繊維分が少ないですし、無線綴じでカットされた断面をラフニングすることで、コート剤が粉末になります。
そして紙の断面に付着するのです。
この粉末は接着においてとても大きなデメリットになります。
粉末をきれいに取り除かないうちに、ホットメルトを塗布してしまうと接着効果を損なうことになります。
このようなことからコート紙を無線綴じするのなら、安全をしっかりと見込んで切れ目を入れるか、あじろ綴じを選択するのがおすすめです。
つまり、折りの品質が一定の水準を保持しているというのを大前提として、あじろ綴じは他のページとつながっていますので、バラバラにはなりにくいというメリットがあります。
そして、紙の連量が110kgを超えるような場合には、あじろ綴じを選択するのが無難だといえます。
連量が少ない用紙の場合にはあじろ綴じにおいては接着剤の浸透が十分ではなくなります。
また、多色ものでコート紙を使用するような場合には、あじろ綴じの方がおすすめです。
また、ノド元までの絵柄が多いのであれば耐溶剤性のホットメルトを使用したほうがより強度の高い本を作ることができます。
ただ、耐溶剤性ホットメルトとはいっても高い耐溶剤性を持っているのではないため、通常のホットメルトに比べて溶剤による影響を受けにくいです。
