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印刷・製本コラム

綴じ方の持つ特徴

本の綴じ方というのはいくつかの種類があることはご存知だと思います。
なかでもよく使用される方法としては無線綴じと中綴じの2つになります。
それではこの無線綴じと中綴じといった綴じ方を中心に、それぞれの綴じ方の持つ特徴についてご紹介していきます。

無線綴じとはどのような方法なの?


無線綴じというのは、背表紙の部分をのりで固定して表紙で挟んで製本を行う方法です。
書籍や、月刊誌といったものが数多く販売されていますが、それらの多くでこの無線綴じが採用されています。 専用の接着剤を使用して背表紙部分を固めてありますので、強度は非常にありますがページを180度開くことはできません。180度に開こうとしても、必ず死角となる部分ができてしまいます。

文字や絵柄を一切欠けることなく全て見せたいという場合、もしくはデータを作成するときには通常よりもページの中心部分に余裕を持って余白を準備しておく必要があります。

また、ページ数が多ければ多いほど余白は多く作らなければなりません。
ページ数が少なければ180度とまではいきませんが、しっかりと広げることができます。

ページをまたいで写真などを一面に配置したいような場合には、ページ間でのズレを解消するために左右各ページに配置する予定の写真やイラストを1mmから1.5mm程度外側にずらすようにしてください。
なおかつ綴じている部分が重なるように印刷をすることで、見開きで写真やイラストを載せた時にきれいな仕上がりになります。

無線綴じのメリット・デメリット


無線綴じ製本のメリットというのは報告書や問題集商品カタログや同人誌などといったページ数が多い冊子にむいています。
繰り返し何度も読むようなものや、長期的に保存する場合には向いています。

無線綴製本のデメリットは、ページ数の少ない冊子に対しては向いていないということです。
閉じている部分が接着剤などで固定されていますので、中央部分は完全に開ききることができません。


ページによって紙のサイズが違うことも


中綴じは紙を折っている部分を、専用の針金(ステープラー)などといったもので留める製法方法になります。
耐久性は高くありませんが、非常にコストが安いですので週刊誌などにおいてこちらの方法が使用されています。
死角となる部分がないのが特徴でページ数の多いものに対してはあまり使用されません。

無線綴じに関してはページの中心部分まで180°開くことが難しいのですが、中綴じでは中心部ギリギリまで閉じることができます。
しかし表紙や裏表紙の部分においてはページになればなるほど左右の幅が大きくなります。
この左右の幅の変化について、十分に考慮しておかなければ外側のページになればなるほど見開き両側の余白が変化していきますので、レイアウトは十分に確認しておく必要があります。

中綴じとは


パンフレット印刷などにおいて最も一般的なものが中綴じです。
本を開いた状態で重ねて真ん中をホチキスで止める方法です。

ページ数の少ない雑誌などを見てみると、この中綴じという製本方法を使用していることが多いです。
A4サイズの用紙を使用して、8ページ、12ページ、16ページといった4の倍数のページ数で構成されています。

紙を重ねますのでページ数が多くなったり紙が分厚くなってしまうと、閉じたときにズレが生じやすくなってしまいます。
きれいな写真やイラストも、ズレが生じてしまうと台無しですので注意しなければなりません。
このずれを防ぐために閉じる部分にくるデータの位置をずらして小口側を揃える処理が行われます。

中綴じのメリットは見た目が極めて一般的なものであり、馴染みやすいです。
また、根本まで開くことができるので、レイアウトにおいて自由度が高いのも魅力の1つです。

見開き部分にイラストや写真などをインパクトを強く掲載したい時にも最適です。
また、コストも安いというのはとても魅力的です。

しかし、針金で綴じるので、針金で綴じられる程度の枚数しか綴じられません。


中綴じの注意点


中綴じ製本においてレイアウトをする時には、並製本のように接着剤を使用するわけではないので、ノド部分を意識せずに自由なレイアウトを楽しめます。
その一方で内側のページいおいては仕上がりサイズがずれる欠点があります。

外側のページから内側のページにかけてのサイズがずれることを考慮したうえで、レイアウトを行い、本のサイズを整える断裁仕上げによって見切れてしまうことがないようにしなければなりません。

並製本では、背の部分に接着剤をしっかりと浸透させることによって、背面部分だけではなくページ同士も糊付けされます。
その結果強度を出すことができるのですがページが開きづらくなりますのでノド部分は隠れてしまいます。


並製本で紙面レイアウトをする際にはノド側の余白部分、見開きで繋がる部分などを見越して制作しなければなりません。

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