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印刷・製本コラム

無線綴じでどんな冊子が作れるの?どんな用紙を使えば仕上がりが良くなる?

本

無線綴じというのは、本文の背面部分に加工がなされている製本方法です。
本文の背の部分に対して、高温の特殊のりで綴じていきます。
そして表紙でくるんでから固定するという製本方法になります。

このようにくるむため、くるみ製本と呼ばれることもあります。
無線というように、ホチキスなどを使用せずに綴る方法ですので、用途は非常に幅広く、文庫本をはじめ雑誌などにおいても使用されています。

紙の端にしか糊がついていないにもかかわらず、ページがバラバラになってしまうのではないかと思われるかもしれませんが、強度をアップさせるために背の部分に溝をつくります。
溝をつくることで、強度はしっかりと増しますし、耐久性があるので本がとても長持ちします。

この背に溝を入れる特殊な加工のことをガリと呼びます。
のこぎりなどによって背に対して垂直に切り込みを入れますので、平面よりものりが多く入ります。

また、ミーリングと呼ばれる印刷後に背の部分を切りそろえて、糊がまんべんなくつくようにする加工も行われます。
しっかりと糊をつけた本文に対して、表紙の紙を巻き付けていき、専用の器械を使用してずれないように押さえつけます。
そして糊が乾いて固定したら冊子が完成します。

とてもきれいに、そして尚且上部に仕上げられるというのが魅力的な綴じ方になります。

無線綴じにはどんなメリット・デメリットがあるの?


まず第一のメリットとしては、背表紙があるということです。
ホチキスを使用して行う綴じ方とは違い、背表紙があるのは大きな魅力だといえます。

背表紙にタイトルやイラストなどがあれば、本棚に並べた時の見栄えも違いますし、整理整頓しやすくなります。
平積みにした場合にも横からタイトルをしっかりと確認することができます。

背表紙の幅がもしも5ミリ以上になるのであれば、背表紙にもデザインを施してみてください。

ただし、3ミリ未満になる場合には文字を入れてもとても読みづらくなってしまいますし、表紙や裏表紙においてはみ出してしまいますのでデザインを入れないことが大半です。
また、ページ数が多くても、しっかりと綴ることができるのも無線綴じの強みです。

中綴じであったり、平綴じなどはホチキスで留めるという構造からも、ページ数の多いものはどうしても作ることができません。
ページ数が増えるということは、それだけ背部分が広くなりますので、背表紙に文字などを入れる場合にはより複雑なデザインにすることができます。

ただ、このような無線綴じにもデメリットがあります。
それは見開きのデザインに自由度が少ないということです。

製本の構造からしても、ノドが数ミリ隠れてしまいますので、ページの中央部分まで思い切り開くことができないので、そのようなデザインには向いていないのです。
絵本や写真集などのように見開きのデザインを重視したいのであれば、無線綴じはおすすめしませんし、どうしても無線綴じにしたいのであれば、ノド部分に重要な図、文字を入れないようにしてください。

そして、ページ数が少ない冊子には向いていないため、他のとじ方をおすすめします。
背表紙に糊付けしますので、背幅が必要です。
ページ数が少なければ、糊が付着する面が減りますので、どうしても無線綴じには向いていないのです。

無線綴じに最適なのは、文庫本や小説、パンフレットや論文、教科書や雑誌などになります。

表紙用紙の選び方


では、表紙に使用する用紙の種類についてご紹介します。
用紙はコストにとても大きく影響しますので、紙の種類を把握しておくのはとても重要です。
コート紙は、用紙表面がコーティング剤によって覆われていますので、とてもなめらかで、艶があります。
カラープリントなどをした時には発色がとてもきれいになり、写真などをより鮮やかに見せてくれます。
彩度の高い写真、イラストを印刷するのに適しています。

開いた本

マットコート紙の場合には、表面の光沢を抑え込んでおり、マットな印象になります。
色の発色自体はコート紙に近いのですが、コート紙のように艶があるわけではないので、再度が落ちてとても上品な印象になります。

上質紙はコストがとても安く、コピー用紙のような質感の紙です。
コート紙のようにコーティングはされていませんので、光を反射するようなこともありません。
そのため、文字などは読みやすいというメリットがあります。
ただ、インクのにじみが出てしまいますので注意が必要です。

レザックはレザーのようにでこぼことした質感になります。
高級感があるので、記念品として冊子を制作した場合に適しています。

ただ、繊細なイラスト、写真のように、より繊細さを必要とするものには適していません。
マーメイドと呼ばれるものは、とても小さなでこぼこがあります。
目立つほどのでこぼこではありませんので、再現性を維持しつつ、同時にやわらかな雰囲気に仕上げることができます。

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