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共同研究ほど編集が難しい研究報告書|執筆者が増えると何が起きるのか

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研究報告書の執筆者が1人であれば、原稿の形式は自然と統一されます。しかし共同研究の報告書では、複数の執筆者がそれぞれのやり方で原稿を書いてきます。形式の統一、用語の整合、提出タイミングのばらつき。執筆者が増えるほど、編集担当者の調整作業は複雑になります。

「2人で書けば2倍の仕事になるかと思ったら、5倍の調整が必要だった」という声を、複数機関にまたがる共同研究の報告書担当者から聞いたことがあります。編集の難しさは、執筆者の数に比例するのではなく、それ以上に増えることがあります。

今回は、共同研究の研究報告書制作で起きやすい課題を整理します。

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原稿形式がバラバラになる



共同研究の報告書で最初に直面する問題が、原稿形式の不統一です。

見出しの付け方が執筆者によって異なります。「1.」「1)」「(1)」「■」など、章番号・節番号の形式が混在することがあります。全体を通して読んだ時に、章立ての構造が分かりにくくなります。

本文の文体も揃いにくいものです。「である体」と「ですます体」が混在したり、同じ内容を指す用語が執筆者によって異なる表現になっていたりします。「高齢者」と「シニア」、「効果が認められた」と「効果が確認された」のように、意味は近くても表記が揺れると、読者が混乱することがあります。

フォント・フォントサイズ・行間の設定も統一されていないことが多いものです。Wordで執筆した原稿をそのまま繋ぎ合わせると、章ごとに見た目が異なる冊子になります。編集者が1つ1つ手を入れて揃える作業が必要になります。

参考文献の表記が統一されない



共同研究の報告書で見落とされやすいのが、参考文献の表記スタイルの不統一です。

参考文献の記載方法には複数のスタイルがあります。著者名の表記順、発行年の位置、誌名のイタリック体の有無、巻号の表記形式。執筆者がそれぞれ慣れているスタイルで書くと、報告書全体で参考文献の形式が揃いません。

同じ文献を複数の執筆者が引用していることもあります。著者名の表記、誌名の略称・正式名称の使い分けが執筆者によって異なると、同一文献への参照が別の文献のように見えることがあります。

参考文献の統一は、内容の確認より手間がかかることがあります。すべての参考文献を確認し、表記スタイルを揃える作業は地味ですが、学術的な報告書としての品質に影響します。執筆依頼の段階で「参考文献の表記スタイルはこの形式で統一してください」と案内しておくことが、後の整理を楽にします。

提出タイミングのばらつきが生む問題



共同研究の報告書では、執筆者ごとに提出のタイミングが異なることが多いものです。

提出期限を設けても、全員が期限通りに提出することは稀です。締切に遅れる執筆者がいると、その章だけ後から組み込む作業が発生します。先に届いた章で全体の構成を組んでいると、後から届いた原稿のページ配分を調整し直す必要が生じることがあります。

修正依頼が個別に届く問題もあります。校正データを全員に送付した後、修正が個別のメールで届きます。5人の執筆者がいれば5通の修正メールが届き、それぞれの修正箇所を整理して反映する作業が必要になります。修正の内容が執筆者間で矛盾していないかの確認も必要です。

提出後の追加修正依頼が止まらないこともあります。「最終確認をお願いします」と伝えても、1人が修正を出すと他の執筆者も修正を出してくる。修正の連鎖が続くと、完成のタイミングが見えにくくなります。

機関をまたぐ共同研究特有の問題



異なる機関の研究者が参加する共同研究では、さらに特有の課題が加わります。

所属表記の確認が複雑になります。各執筆者の所属機関名・部署名・職位を正確に把握するだけでも、複数機関にわたる確認が必要です。機関名の正式名称が略称で提出されていることや、異動があって所属が変わっていることもあります。

利益相反の表明や研究倫理に関する記載の確認が必要なケースもあります。執筆者ごとに記載の有無や形式が異なることがあり、掲載方針を揃える判断が必要になります。

機関ごとのルールが異なることもあります。ある機関では写真の掲載に事前承認が必要、別の機関では公表前の数値は一定の制限があるなど、機関ごとの規定が報告書の内容に影響することがあります。

編集の負担を減らすための事前の工夫



共同研究の報告書制作で、編集の負担を減らすには、執筆依頼の段階での準備が鍵になります。

執筆要領を作成して全員に配付します。原稿の文字数・文体(である体/ですます体の統一)・見出しの形式・参考文献のスタイル・図表の提出方法・ファイル形式。これらを1枚の文書にまとめて、執筆依頼と合わせて送付します。執筆要領があることで、届く原稿の形式が揃いやすくなります。

執筆者ごとの提出状況を管理する一覧を作ります。誰の原稿が届いていて、誰のものがまだか。修正依頼を送ったが返答がない執筆者は誰か。こうした状況を把握し続けることで、全体のスケジュール管理がしやすくなります。

修正依頼の窓口を代表者に一本化することも有効な場合があります。各執筆者が個別に編集担当者へ修正を送るのではなく、各章の代表者が取りまとめて送る形にすることで、修正の管理が整理しやすくなります。

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「編集者」の役割を明確にしておく



共同研究の報告書では、「誰が最終的な編集判断をするか」を最初に決めておくことが重要です。

執筆者それぞれの主張が異なる場面で、どちらを採用するかを判断する役割が必要です。用語の統一、章立ての変更、ページ配分の調整。こうした判断を編集者が独断で行うと、後から「聞いていなかった」という声が出ることがあります。

編集長・代表研究者など、最終判断の権限を持つ人物を明確にしておくことで、調整の際の根拠が生まれます。「編集長の判断でこのように統一しています」という説明ができれば、個々の執筆者への対応がしやすくなります。

冊子印刷ドットコムでは、研究報告書の印刷相談に対応しています。複数執筆者の原稿が揃ってからの入稿でも、スケジュールを一緒に確認しながら進められます。

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共同研究の報告書制作課題|要点まとめ



共同研究の研究報告書で編集が難しくなる理由は、執筆者ごとに原稿形式・用語・文体・参考文献スタイルが異なること、提出タイミングがばらつくこと、修正が個別に届くことが重なるからです。

原稿形式の不統一として、見出し形式・文体(である体/ですます体の混在)・フォント設定・用語の表記揺れが代表的な問題です。編集者が1つずつ手を入れて揃える作業が必要になります。

参考文献の表記スタイルの不統一は見落とされやすく、執筆依頼の段階でスタイルを指定しておくことが最も効果的な予防策です。

提出タイミングのばらつきへの対処として、提出状況の一覧管理・修正窓口の代表者への一本化・修正締切の明確な設定が有効です。

事前の工夫として、執筆要領(文体・見出し形式・参考文献スタイル・図表提出方法)を執筆依頼と合わせて配付すること、最終編集判断の権限を持つ編集長・代表者を最初に決めておくことが、編集作業全体の負担を減らします。

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