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印刷・製本コラム

やってはいけない入稿データ|よくあるNGとその理由を理解する

202604 2-1

「印刷が仕上がってみたら、文字が違う字体になっていた」「写真がぼやけて使い物にならなかった」。こうした入稿トラブルは、原因さえ知っておけば防げるものがほとんどです。

冊子印刷ドットコムに届くデータの中にも、残念ながら修正をお願いしなければならないものが一定数あります。多くの場合、悪意があるわけではなく「知らなかった」ことが原因です。

今回は、よくある入稿データのNGパターンを取り上げ、「なぜそれが問題になるのか」を初心者でも分かるように解説します。事前に知っておくだけで、入稿トラブルの大半は防ぐことができます。

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NGその1|解像度が低い画像を使っている



もっとも多いトラブルのひとつが、解像度の低い画像の使用です。

画面で見るとくっきりきれいに見える写真でも、印刷すると粗くぼやけた仕上がりになることがあります。なぜこうなるのでしょうか。

画面表示に必要な解像度は72〜96dpi程度ですが、印刷には350dpi以上が必要です。画面上では十分に見えても、印刷物として紙に出力すると、ドットのつぶつぶが目立つ粗い仕上がりになってしまいます。

よくある原因として、ウェブサイトや SNSからダウンロードした画像の使用、スマートフォンで撮影した写真を縮小してから拡大して使う、解像度の低いスクリーンショットをそのまま貼り付けるといったケースが挙げられます。

注意が必要なのは、解像度は後から上げられないという点です。72dpiの画像をPhotoshopで350dpiに変換しても、データ上の数値が変わるだけで印刷品質は改善されません。最初から解像度の高い画像を用意することが唯一の解決策です。

NGその2|塗り足しがない



背景に色や画像がある冊子で特に起きやすいトラブルが、塗り足し不足です。

印刷では、印刷後に紙を仕上がりサイズに断裁する工程があります。この断裁の際に、わずかなずれが生じることがあります。塗り足しがないと、このずれによって仕上がりの端に細い白い余白が残ってしまいます。

例えばA4サイズの冊子を作る場合、データは各辺3mmずつ大きい216×303mmで作成し、背景の色や画像をその端まで伸ばしておく必要があります。「仕上がりサイズぴったり」でデータを作ると、断裁のずれを吸収できません。

白い背景のみのシンプルなデータであれば、塗り足しの影響は出にくいです。しかし、表紙に写真をいっぱいに使う、ページの端まで色を敷くといったデザインの場合は、必ず塗り足しを設定してください。

NGその3|フォントが埋め込まれていない



文字に関するトラブルの代表例が、フォントの未埋め込みです。

PDFを作成した時、そのPDFの中にフォント情報が含まれていないと、受け取った側の環境に同じフォントがない場合に文字が別の書体に置き換わります。デザインのバランスが崩れるだけでなく、文字が正しく表示されないこともあります。

これはWordで作成したデータをPDFに変換する際に起きやすい問題です。Word標準の書体であれば比較的安全ですが、無料でダウンロードしたフォントや特殊な書体を使っている場合は注意が必要です。

対策は2つあります。ひとつはPDF書き出し時に「フォントを埋め込む」設定を有効にすること。もうひとつは、IllustratorやInDesignを使っている場合、文字をアウトライン化してから書き出すことです。アウトライン化すると文字が図形データに変換されるため、フォント未埋め込みのトラブルが起きません。

NGその4|RGBカラーで作成している



色に関する入稿トラブルとして見落とされやすいのが、カラーモードの問題です。

デジタルデータでは色の表現方法が2種類あります。パソコンやスマートフォンの画面はRGB(光の三原色)で色を表現しています。一方、印刷はCMYK(インクの四色)で色を再現します。

RGBで作成したデータをそのまま印刷用に使うと、CMYKに変換した際に色味が変わることがあります。特に鮮やかな青や緑、オレンジは、RGBでは表現できてもCMYKでは再現できない色域があり、くすんだ色になってしまうことがあります。

カラー印刷の冊子を作る場合は、データをCMYKモードで作成することが基本です。IllustratorやPhotoshopでは、ドキュメントのカラーモードをCMYKに設定できます。WordやPowerPointはCMYKに対応していないため、入稿前に印刷会社に確認することをおすすめします。

なお、モノクロ印刷の冊子であれば、カラーモードの問題は大きく影響しません。

NGその5|文字が仕上がり線のギリギリに配置されている



塗り足しとは逆方向の問題として、文字や重要な要素を仕上がり線のギリギリに配置することも避けるべきNGです。

断裁のわずかなずれにより、仕上がり線のすぐ近くにある文字が切れてしまうことがあります。「セーフゾーン」と呼ばれる内側の余白(仕上がり線から3〜5mm内側)には、文字や重要な要素を配置しないことが基本ルールです。

タイトル、住所、電話番号、ロゴ。こうした重要な情報が端に寄りすぎていると、断裁後に一部が欠けてしまうことがあります。データを作る段階で、重要な情報は中央寄りに配置する意識を持っておきましょう。

NGその6|ページの順番や向きが間違っている



内容に問題がなくても、ページの順番や向きが間違っていることがあります。

中綴じの冊子は、ページの並び方に規則があります。たとえば16ページの中綴じ冊子では、印刷の面付け(ページの配置)の関係で、単純に1・2・3と並べるのとは異なる順番になります。この点が分からない場合は、1ページずつのPDFとしてページ順に入稿するのが確実です。印刷会社側で面付けを行います。

また、横向き(ランドスケープ)と縦向き(ポートレート)が混在している場合、意図通りの向きで印刷されないことがあります。特に、途中のページだけ横向きにしたい場合は、印刷会社に事前に相談することをおすすめします。

NGを防ぐための実践的な対策



これらのNGをまとめて防ぐために、入稿前に行っておくべきことがあります。

入稿前にAcrobat Readerや専用ツールでPDFを開き、全ページを目視で確認します。文字化けはないか、画像はぼけていないか、ページの順番は正しいか。プリンターで実際に印刷して確認することも有効です。

印刷会社の入稿ガイドラインを事前に読むことも重要です。各社によって推奨の設定が異なることがあるため、冊子印刷ドットコムの入稿ガイドラインも参考にしてください。

不安な場合は、入稿前に相談することをおすすめします。「このデータで問題ないか確認してほしい」という相談も歓迎しています。ひと手間かけることで、印刷後の後悔を防ぐことができます。

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入稿データのNGとその理由|要点まとめ



入稿データのNGとは、印刷トラブルや仕上がりの不具合につながるデータの状態のことです。原因を知っておくことで、ほとんどのトラブルは事前に防ぐことができます。

解像度が低い画像は、画面上では問題なく見えても印刷でぼやけます。印刷に必要な解像度は350dpi以上で、後から上げることはできません。

塗り足しがないと、断裁のわずかなずれで仕上がりの端に白い余白が出ます。背景に色や画像がある場合は、仕上がりサイズの各辺から3mm外側まで伸ばす必要があります。

フォントが埋め込まれていないPDFは、受け取った環境によって文字が別の書体に置き換わります。PDF書き出し時のフォント埋め込み設定、またはアウトライン化で防ぐことができます。

RGBカラーのデータはCMYKに変換した際に色味が変わることがあります。カラー印刷の場合は、CMYKモードでデータを作成することが基本です。

文字や重要な要素を仕上がり線のギリギリに配置すると、断裁で切れることがあります。仕上がり線から3〜5mm内側のセーフゾーンを意識した配置が必要です。

ページの順番や向きの間違いも入稿トラブルの原因になります。不安な場合は1ページずつのPDFとして順番に入稿するのが確実です。

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