その冊子、本当にその製本で合っていますか?|用途だけで決めると後悔しやすい冊子印刷の判断ポイント

「カタログだから無線綴じ」「パンフレットだから中綴じ」。冊子の用途だけで製本方法を決めてしまうと、後で「こうしておけばよかった」という後悔につながることがあります。実は、同じカタログでも使い方によって最適な製本は変わりますし、同じパンフレットでも配布先によって選択が分かれるのです。
長年、様々な冊子を見てきて気づいたことがあります。製本方法の選択は、用途だけでなく「誰が、どこで、どう使うか」まで考えると、ぐっと成功率が上がるということです。今回は、用途という表面的な判断を超えて、本当に合った製本を選ぶための視点をお伝えします。押し付けではなく、判断のヒントとして参考にしていただければ幸いです。
「カタログだから無線綴じ」の落とし穴
カタログは無線綴じが当たり前、と思っていませんか。
ページ数が少ないカタログなら中綴じの方が便利なことがあります。24ページ程度の製品カタログで、営業担当が商談中にテーブルに広げて説明する場合を考えてみてください。無線綴じだと完全に開かず、ノドの部分が見づらくなります。中綴じなら平らに開き、お客様と一緒に見やすくなるのです。
配布先が多い場合も要注意です。展示会で500部配布するカタログを無線綴じにすると、重量がかさみ、搬入・搬出が大変になります。以前、ある企業様が「カタログは無線綴じ」と決めて制作されましたが、実際に展示会で配ってみると「重くて持ち帰ってもらえない」という問題が起きました。翌年は中綴じに変更し、持ち帰り率が上がったそうです。
更新頻度が高いカタログも考慮が必要です。製品ラインナップが頻繁に変わる場合、無線綴じで厚いカタログを作ると、在庫が無駄になります。中綴じで薄く作り、必要な時に必要な部数だけ印刷する方が、コスト管理しやすいこともあります。
「カタログ=無線綴じ」という固定観念ではなく、実際の使い方を想像してみてください。私たちは「どんな場面で使われますか」とお聞きして、最適な製本を一緒に考えます。
「パンフレットだから中綴じ」で困るケース
パンフレットも、すべて中綴じで良いのでしょうか。
保管前提のパンフレットなら無線綴じが適しています。学校案内や不動産の物件資料など、受け取った人が家で保管し、家族と何度も見返す冊子の場合、背表紙のある無線綴じの方が本棚に立てて保管しやすくなります。中綴じだと平置きするしかなく、他の資料に紛れて見失いがちです。
ページ数が増えた時の対応も考えておきたいポイントです。毎年発行するパンフレットで、今年は16ページだけど来年は内容を増やして32ページにしたい、という場合があります。最初から無線綴じにしておけば、ページ数の増減に柔軟に対応でき、シリーズとしての統一感も保てます。
高級感を出したい場合も無線綴じが有利です。企業のブランドブックや周年記念のパンフレットなど、品格を重視する冊子では、書籍のような仕上がりの無線綴じが選ばれます。ある会社様から「パンフレットは中綴じで」とご依頼いただきましたが、用途を伺うと創立記念の配布物でした。無線綴じを提案したところ、「やはりこちらの方が記念品らしい」と喜んでいただけました。
用途が「パンフレット」というだけでは、本当に必要な製本は見えてきません。配布後にどうなるか、まで考えることが大切です。
・見落としがちな「使う人」の視点
制作側の都合だけで決めていませんか。
高齢者が見る冊子なら、開きやすさが重要です。地域の福祉施設で配る冊子、健康講座の資料など、高齢の方が手にする冊子では、力を入れずに開ける中綴じが親切です。無線綴じだと「開きにくい」というストレスを与えてしまいます。私たちが関わった介護施設の案内冊子では、当初無線綴じで進めていましたが、実際に高齢者が手に取る場面を想像し、中綴じに変更しました。
子どもが使う冊子も考慮が必要です。学校の教材や子ども向けイベントの冊子は、ランドセルやリュックに入れて持ち運びます。軽くて薄い中綴じの方が、子どもの負担になりません。耐久性が心配なら、表紙を厚めにするという工夫もあります。
現場で使う冊子の特性も見逃せません。工場の作業マニュアル、建設現場の手順書など、汚れた手で触ることが想定される冊子は、表紙にPP加工を施した無線綴じが長持ちします。中綴じだと針金部分から傷みやすくなります。
「誰が使うか」を具体的にイメージすると、自然と最適な製本が見えてきます。冊子印刷ドットコムでは、お客様の「使う人」の状況を一緒に考え、最善の提案をしています。

納品後のことまで想像してみる
完成した冊子が、どこでどう保管されるか考えていますか。
取引先のオフィスに残る冊子なら、背表紙が重要です。営業資料や製品カタログは、取引先の書棚に並べられます。背表紙に社名や製品名が印刷されていれば、必要な時にすぐ見つけてもらえます。中綴じだと背表紙がないため、ファイルに挟むか平置きになり、存在を忘れられやすくなります。
一方、イベント会場で配る冊子は使い捨て前提です。その場で見て、帰りに処分されることが多いなら、コストを抑えた中綴じが合理的です。無線綴じで立派に作っても、保管されなければ意味がありません。
社内で共有する資料の保管方法も確認したいポイントです。ファイルボックスに入れて保管するなら、薄い中綴じが収まりやすい。本棚に立てて保管するなら、背表紙のある無線綴じが探しやすい。保管環境に合わせた選択が、長く使われる冊子を生みます。
以前、ある企業様が研修資料を無線綴じで大量に制作されましたが、実際には各部署でファイルボックスに保管するため、無線綴じの厚みが邪魔になったそうです。次回からは中綴じに変更し、保管効率が上がったとのことでした。
「作って終わり」ではなく、「配った後どうなるか」まで想像することが、後悔しない選択につながります。
迷った時は正直に相談してください
どの製本が正解か、自分では判断できない時もありますよね。
私たちは「こうすべき」と決めつけることはしません。お客様の状況をお聞きして、いくつかの選択肢を提示します。「この用途ならこちらが一般的ですが、こういう使い方ならこちらも選択肢です」という形で、判断材料をお伝えします。
試作で確認することもおすすめです。冊子印刷ドットコムは1部からの印刷に対応しているため、中綴じと無線綴じの両方で試作を作り、実際に手に取って比較できます。実物を見ると「やっぱりこっちだ」と納得できることが多いのです。
予算との兼ね合いも含めて相談できます。「本当は無線綴じが良いけど予算が厳しい」という場合、ページ数を調整する、用紙のグレードを見直すなど、予算内で最善の方法を一緒に考えます。
製本方法の選択は、用途・使う人・保管方法・予算など、複数の要素を総合的に判断するものです。完璧な答えはありませんが、長年の経験から「こういうケースではこうすると良い」という知見があります。迷った時は、遠慮なくご相談ください。
冊子の製本選択は、用途だけでなく「誰が、どこで、どう使い、どう保管するか」まで考えることが大切です。表面的な判断ではなく、実際の使用場面を想像してみてください。私たちは、お客様と一緒に最適な選択を考えるパートナーでありたいと思っています。
製本選択の判断ポイント|要点まとめ
カタログでも24ページ程度で商談中にテーブルに広げるなら中綴じが平らに開いて見やすく、展示会で500部配布するなら中綴じの方が軽量で持ち帰り率が上がり、更新頻度が高いなら中綴じで薄く作り必要時に必要部数だけ印刷する方がコスト管理しやすいケースがあります。「カタログ=無線綴じ」という固定観念ではなく実際の使い方を想像することが重要です。
パンフレットでも学校案内や不動産資料など保管前提なら無線綴じが本棚に立てて保管しやすく、毎年発行でページ数が増減する場合は最初から無線綴じでシリーズの統一感を保て、創立記念など高級感を出したい場合は無線綴じが品格を表現します。配布後にどうなるかまで考えることが大切です。
使う人の視点として、高齢者が見る冊子なら力を入れずに開ける中綴じが親切で、子どもが使う冊子はランドセルに入れて持ち運ぶため軽い中綴じが負担にならず、工場や建設現場で使う冊子は表紙にPP加工を施した無線綴じが汚れた手で触っても長持ちします。「誰が使うか」を具体的にイメージすることが重要です。
納品後の保管方法として、取引先のオフィスに残る冊子なら背表紙に社名や製品名がある無線綴じが書棚で見つけやすく、イベント会場で配る使い捨て前提ならコストを抑えた中綴じが合理的で、ファイルボックス保管なら中綴じ、本棚保管なら無線綴じが適しています。
迷った時は正直に相談することが大切で、冊子印刷ドットコムは1部からの試作で中綴じと無線綴じを比較でき、予算内で最善の方法を一緒に考え、「こうすべき」と決めつけず判断材料を提示し、長年の経験からケースごとの知見を提供します。
















