中綴じの製本工程をやさしく解説|折り・丁合・針金留めの流れ

冊子印刷を注文すると、印刷会社では様々な工程を経て製本が行われます。しかし「どのような手順で冊子が出来上がるのか」を詳しく知る機会は少ないものです。完成した冊子を手にした時、その背景にある技術を理解することで、より適切な仕様選択ができるようになります。
中綴じは「折って針金で留めるだけ」と思われがちですが、実際には正確な工程管理が必要です。ページ順を間違えない丁合、綺麗に揃える裁断など、細かな作業の積み重ねが品質を生み出します。今回は中綴じの製本工程を、初心者にも分かりやすく順を追って解説します。
工程1|印刷された紙を折る
製本の最初の工程では何が行われるのでしょうか。
印刷が完了した紙を二つ折りにします。この工程を「折り」と呼びます。1枚の紙を半分に折ることで、4ページ分になります。例えば16ページの冊子なら、4枚の紙をそれぞれ折って重ねることで構成されます。
折り機という専用の機械が使われます。手作業で折ると、折り目の位置がずれたり、曲がったりしますが、折り機なら正確に同じ位置で折れます。大量の紙を短時間で処理でき、品質も安定します。
折り目には圧力がかけられます。単に折るだけでなく、ローラーで圧力をかけることで、折り癖をしっかりつけます。この折り癖が、冊子を開いた時に平らな状態を保つ手助けをします。私が印刷工場を見学した際、折り機が毎分数百枚のスピードで紙を折る様子を見て、その正確さに驚きました。
用紙の厚みによって折り方を調整します。薄い紙と厚い紙では、折る際にかける圧力が異なります。適切な設定をしないと、折り目が割れたり、紙が破れたりします。熟練した技術者が、用紙に応じた調整を行います。
折りが完了すると、各紙は4ページ分の情報を持つ「折丁(おりちょう)」という状態になります。この折丁を正しく重ねることが、次の工程です。
工程2|ページ順に重ねる丁合
折った紙をどのように並べるのでしょうか。
丁合(ちょうあい)は、折丁を正しい順序で重ねる作業です。16ページの冊子なら、1-16ページの折丁、2-15ページの折丁、3-14ページの折丁、4-13ページの折丁を順番に重ねます。見開きで対になるページが配置されるため、この順序が重要です。
自動丁合機が活用されます。各折丁を所定の位置にセットすると、機械が自動的に正しい順序で重ねていきます。人の手で行うと間違いが起きやすい作業も、機械なら確実です。
ページ順の確認も同時に行われます。各折丁にはページ番号が印刷されており、機械がこれを読み取って正誤をチェックします。万が一ページが抜けていたり、順序が入れ替わっていたりすると、その段階で検知され、エラーが表示されます。
小ロット印刷では手作業も行われます。部数が少ない場合、自動丁合機をセットするより、手作業で丁合した方が効率的なこともあります。ただし人の目によるダブルチェックが必須です。
丁合が完了すると、すべての折丁が重なった状態になります。この束が、次の針金留めの工程へ進みます。
工程3|中央を針金で留める
どのように針金で綴じるのでしょうか。
針金綴じ機が中央部分を留めます。重ねられた折丁の背の部分、つまり折り目の中心線に、外側から針金を打ち込みます。針は紙を貫通し、内側で折り曲げられて固定されます。この作業は数秒で完了します。
留める箇所は通常2箇所です。冊子の上下に針金を打つことで、全体をしっかり固定します。ページ数が多い場合や、縦に長い冊子では、3箇所留めることもあります。留め位置が多いほど、強度が増します。
針金のサイズは冊子の厚さで変わります。薄い冊子には短い針、厚い冊子には長い針を使います。適切な針を選ばないと、紙を貫通しきれなかったり、逆に針が飛び出しすぎたりします。
内側の針の処理も重要です。針が内側で平らに折り曲げられていないと、ページをめくる際に引っかかったり、手を傷つけたりします。綴じ機の調整で、針の折り曲げ具合を適切に管理します。
針金留めが完了すると、冊子の形が整います。ただしこの段階では、まだページの端が不揃いです。最後の仕上げ工程へ進みます。
工程4|三辺を裁断して仕上げる
どのように冊子を綺麗に仕上げるのでしょうか。
裁断機で三辺を切り揃えます。天(上)、地(下)、小口(開く側)の三方向を裁断することで、すべてのページの端が完全に揃います。背の部分は折り目そのままで、裁断されません。
裁断の精度が仕上がりを左右します。わずか0.5mmのずれでも、完成品の見た目に影響します。特に写真やイラストが端まで配置されている冊子では、裁断位置が重要です。裁ち落としの設定を適切に行うことで、美しく仕上がります。
大型の裁断機が使われます。一度に数十冊から数百冊を重ねて裁断できる機械です。刃の切れ味が悪いと、紙の端が毛羽立ち、品質が低下するため、定期的な刃の交換が行われます。
裁断後は最終検品です。ページ順の確認、汚れやキズのチェック、針金の固定状態の確認などを経て、合格品のみが梱包され出荷されます。私が担当したイベントパンフレットでは、この検品で1冊の不良品が見つかり、差し替えられました。
冊子印刷ドットコムでは、これらすべての工程で品質管理を徹底しています。各工程の精度が、使いやすい冊子を生み出します。

工程を理解することで得られるメリット
製本工程を知ることに、どんな意味があるのでしょうか。
データ作成時の配慮ができます。折り目の位置に重要な情報を配置しない、裁ち落としを適切に設定するなど、工程を理解していれば、トラブルを未然に防げます。
納期の相談もスムーズになります。各工程にどのくらい時間がかかるか分かっていれば、無理な納期を依頼することもなくなります。逆に、どこまで短縮できるかの判断もつきやすくなります。
仕様選択の根拠が明確になります。なぜ40ページが上限なのか、なぜ4の倍数でなければならないのか。工程を知ることで、製本方法の制約が理解でき、適切な選択ができます。
中綴じの製本工程は、折り・丁合・針金留め・裁断という4つのステップで完成します。それぞれの工程が正確に行われることで、読みやすく使いやすい冊子が生まれます。製本の仕組みを理解し、より良い冊子制作に活かしてください。
中綴じの製本工程|要点まとめ
折りの工程では、印刷された紙を二つ折りにして1枚で4ページ分にし、折り機で正確に同じ位置で折り、ローラーで圧力をかけて折り癖をしっかりつけ、用紙の厚みに応じて折り方を調整します。折りが完了すると各紙は4ページ分の情報を持つ折丁になります。
丁合の工程では、折丁を正しい順序で重ね、16ページなら1-16、2-15、3-14、4-13ページの順に配置し、自動丁合機が正しい順序で重ね、ページ番号を読み取って正誤をチェックし、小ロット印刷では手作業も行われますが人の目によるダブルチェックが必須です。
針金留めの工程では、針金綴じ機が折り目の中心線に外側から針を打ち込み内側で折り曲げて固定し、通常2箇所留めで厚い冊子や長い冊子では3箇所留めもあり、針のサイズは冊子の厚さで変わり、内側の針が平らに折り曲げられていることが重要です。
裁断と仕上げでは、天・地・小口の三方向を裁断してすべてのページの端を揃え、0.5mmのずれも見た目に影響するため精度が重要で、大型裁断機で数十冊から数百冊を一度に処理し、裁断後は最終検品でページ順・汚れ・針金の固定状態を確認します。
工程を理解するメリットは、折り目の位置や裁ち落としなどデータ作成時の配慮ができること、各工程の所要時間が分かり納期相談がスムーズになること、40ページ上限や4の倍数という制約の理由が理解でき適切な仕様選択ができることです。
















