短納期に強い中綴じ冊子|工程が少ない製本方式の実力とは

「来週のイベントまでにパンフレットが必要」「急遽配布資料を追加したい」。冊子制作の現場では、時間との戦いになることが少なくありません。印刷は間に合っても、製本に時間がかかり、結局納期に間に合わないという事態は避けたいものです。
急ぎの案件で頼りになるのが中綴じ製本です。折って針金で留めるだけというシンプルな工程は、製本時間を大幅に短縮します。無線綴じが3日から5日かかるところ、中綴じなら1日で完成することも珍しくありません。なぜ中綴じは短納期に強いのか。今回は工程のシンプルさに注目し、スピードが求められる場面での中綴じの実力を解説します。
一般的な中綴じの製本工程は3ステップ
一般的な中綴じはどのような手順で完成するのでしょうか。
第一工程は「折り」です。印刷された紙を二つ折りにします。1枚の紙を折ると4ページ分になり、16ページの冊子なら4枚の紙を折ります。この工程は折り機で自動化されており、短時間で大量の紙を処理できます。
第二工程は「丁合(ちょうあい)」です。折った紙を正しい順序で重ねます。1-16ページの外側、2-15ページ、3-14ページという具合に、見開きで対になるページを配置します。自動丁合機なら、ページ順を間違えることなく高速で作業が進みます。
第三工程は「針金綴じ」です。重ねた紙の中央を針金で留めます。専用の製本機が背の外側から針を打ち込み、内側で折り曲げて固定します。この作業は数秒で完了し、あっという間に冊子の形になります。
最後に裁断して仕上げます。天(上)、地(下)、小口(開く側)の三辺を裁断機で切り揃えることで、すべてのページの端が綺麗に揃います。この工程も自動化されており、短時間で処理できます。
たった3つの工程で完成する中綴じは、製本方式の中で最もシンプルです。私が担当した展示会パンフレットでは、印刷完了から製本完了まで6時間で仕上げたことがあります。
無線綴じとの工程比較
中綴じと無線綴じでは、どれだけ時間差があるのでしょうか。
無線綴じは5つの工程を経ます。本文ページの準備、背削り(ミーリング)、糊付け、表紙巻き、三方裁断という流れです。特に背削りと糊付けは時間がかかり、糊が完全に固まるまで冷却時間も必要です。
糊の乾燥時間が最大のボトルネックです。ホットメルト接着剤を使う無線綴じでは、糊が冷えて固まるまで次の工程に進めません。急いで次の工程に移ると、糊が十分に固まらず、強度が低下します。この冷却時間が、短納期対応を難しくしています。
中綴じに冷却時間はありません。針金で留めた瞬間に製本が完了するため、待ち時間が発生しません。印刷が終わった紙をすぐに製本でき、完成した冊子をすぐに梱包できます。この即時性が、短納期の鍵となります。
工程数の差も大きい要素です。中綴じ3工程に対し、無線綴じは5工程です。工程が増えるほど、トラブルのリスクも時間のロスも増えます。急ぎの案件では、工程のシンプルさが信頼性につながります。
所要時間で比較するとどうか。同じ16ページの冊子を100部制作する場合、中綴じなら印刷後1日で完成します。無線綴じは3日から5日かかり、短納期対応でも2日は必要です。この差が、納期ギリギリの案件での選択を左右します。

翌営業日発送を可能にする理由
中綴じはなぜ翌営業日発送が実現できるのでしょうか。
製本の自動化率が高いことが理由です。折り、丁合、針金綴じのすべてが機械で自動処理され、人の手が入る部分が最小限です。自動化されているため、夜間や早朝でも製本作業が可能で、24時間体制での対応もできます。
印刷と製本の並行作業も可能です。すべてのページの印刷が完了する前に、印刷済みのページから順次製本工程に回せます。例えば、1-4ページの印刷が終われば、その紙を折って準備を始められます。この並行作業が、トータルの所要時間を短縮します。
トラブルからの復旧も速くなります。万が一製本ミスが発生しても、針金を外して再製本すれば済みます。無線綴じは糊で固めてしまうため、やり直しが効きません。修正が容易なことも、短納期対応を支えています。
冊子印刷ドットコムでは、中綴じ冊子の翌営業日発送に対応しています。午前中に入稿すれば、翌日には発送できる体制を整えています。急ぎの案件では、この対応力が大きな武器になります。
私が携わった企業の株主総会資料では、内容確定が総会の3日前でした。中綴じを選択したことで、印刷から製本、配送まで間に合わせることができました。
短納期対応のコストパフォーマンス
急ぎの印刷でも、コストは抑えられるのでしょうか。
中綴じは通常料金でも納期が短いことが利点です。無線綴じで短納期対応を依頼すると、割増料金が発生することが一般的です。しかし中綴じは標準的な工程でも速いため、特別な割増なしで短納期が実現できます。
工程がシンプルなため人件費も抑えられます。複雑な工程を経る無線綴じは、その分だけ人の手が必要になり、人件費が上乗せされます。中綴じは自動化率が高く、少ない人数で大量生産できるため、コストが安定しています。
小ロット印刷でも効率が良いことも特徴です。50部や100部といった少部数でも、製本時間が変わらないため、小ロットでも短納期対応がしやすくなります。イベントごとに少部数を追加印刷する場合でも、中綴じなら柔軟に対応できます。
予算と納期の両立が求められる場面で、中綴じは最適な選択です。限られた予算の中で、確実に納期を守る必要がある案件では、中綴じの工程のシンプルさが強みになります。
ただし急ぎすぎは品質リスクもあります。データ確認や校正の時間が不足すると、ミスが発生する可能性が高まります。短納期を目指しつつも、最低限のチェック時間は確保することが重要です。
中綴じの短納期対応力は、折り・丁合・針金という3つのシンプルな工程から生まれます。冷却時間が不要、自動化率が高い、修正が容易という3つの理由が、急ぎの案件での信頼性を支えています。時間との戦いになる冊子制作で、中綴じの実力を活用してください。
短納期に強い中綴じ|要点まとめ
中綴じの製本工程は折り・丁合・針金綴じの3ステップで、1枚の紙を折ると4ページ分になり、自動丁合機でページ順を高速処理し、針金綴じは数秒で完了します。展示会パンフレットで印刷完了から製本完了まで6時間で仕上げた事例があります。
無線綴じとの工程比較では、無線綴じは5工程(準備・背削り・糊付け・表紙巻き・裁断)で糊の乾燥時間が最大のボトルネックとなり、中綴じは針金で留めた瞬間に完了し冷却時間が不要です。16ページ100部で中綴じなら1日、無線綴じは3〜5日かかります。
翌営業日発送を可能にする理由は、折り・丁合・針金綴じのすべてが機械で自動処理され24時間体制対応が可能なこと、印刷済みページから順次製本工程に回せる並行作業、針金を外して再製本できる修正の容易さです。冊子印刷ドットコムでは午前入稿で翌日発送に対応しています。
短納期対応のコストパフォーマンスは、標準工程でも速いため特別な割増料金が不要、自動化率が高く少ない人数で大量生産できるため人件費が抑えられること、50部や100部の小ロットでも製本時間が変わらないこと、予算と納期の両立が可能なことです。ただし校正時間の確保は必要です。
















