改めて考える中綴じとは何か|軽さ・見やすさを活かす冊子の基本構造

新しい年を迎え、冊子制作の計画を立てる方も多いでしょう。パンフレット、会報、カタログなど、様々な印刷物の制作において、製本方法の選択は最初の重要な判断です。中でも「中綴じ」は、最もポピュラーな製本方式の一つです。
雑誌やパンフレットで日常的に目にする中綴じですが、その構造や特徴を正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。中綴じとは何か、どのような仕組みで冊子を綴じているのか、そしてなぜ多くの印刷物で採用されるのか。改めて基本から整理することで、自分の制作する冊子に本当に適した製本方法を選べるようになります。今回は中綴じの定義、構造、特徴を総合的に解説し、冊子印刷の基礎知識を固めていきましょう。
中綴じとは何か|基本の定義
中綴じとはどのような製本方法なのでしょうか。
中綴じとは、冊子を中央で二つ折りにして、折り目の部分をホッチキス(針金)で綴じる製本方式です。「中」を「綴じる」ことから中綴じと呼ばれ、英語では「Saddle Stitch」と表現されます。馬の鞍(サドル)に似た形状で製本することが名前の由来です。
身の回りにある中綴じ冊子を思い浮かべてみましょう。コンビニで売られている週刊誌、企業のパンフレット、学校の会報、イベントのプログラムなど、多くが中綴じで製本されています。薄くて軽く、気軽に手に取れる印刷物の多くがこの方式です。
製本の構造は非常にシンプルです。印刷した紙を重ね、中央で折り、折り目を針金で留めるだけで完成します。複雑な工程がないため、製本コストを抑えられることも大きな特徴です。私が携わった地域のイベントパンフレットでは、中綴じを選択したことで「予算内で十分な部数を確保できた」という評価をいただきました。
どのくらいのページ数に対応できるか。一般的には8ページから40ページ程度が適用範囲です。これより薄いと綴じる必要性が低く、これより厚いと構造上の限界が見えてきます。
中綴じの構造と製本の仕組み
中綴じはどのような手順で冊子になるのでしょうか。
まず印刷した紙を「折り」ます。1枚の紙を半分に折ることで、4ページ分になります。例えば16ページの冊子なら、4枚の紙をそれぞれ折って重ねることで構成されます。この折りの工程が、中綴じの基本構造を作ります。
折った紙を重ねる順序が重要です。外側から1-16ページ、2-15ページ、3-14ページというように、見開きで対になるページを配置します。この配置を「面付け」と呼び、正確な面付けがなければ、ページ順がバラバラになってしまいます。
中央の折り目を針金で綴じます。一般的には2箇所または3箇所を留めます。薄い冊子なら2箇所、やや厚めなら3箇所とすることで、強度を確保します。針金は背の外側から打ち込まれ、内側で折り曲げられて固定されます。
最後に三辺を裁断して仕上げます。折った紙の天(上)、地(下)、小口(開く側)を裁断機で切り揃えることで、すべてのページの端が揃い、美しい冊子が完成します。ただし、背の部分は折り目そのままで、裁断されません。
ページ数は必ず4の倍数になります。1枚の紙を折ると4ページ分になるため、8ページ、12ページ、16ページといった構成になります。17ページの冊子は作れず、20ページにする必要があるのです。
中綴じの3つの基本特徴
中綴じにはどのような特性があるのでしょうか。
第一の特徴は「平らに開く」ことです。針金で中央を留めているだけなので、冊子を180度完全に開くことができます。テーブルに置いて両手で作業する場面や、見開きページを大きく見せたい場合に、この特性が活きます。料理のレシピ集や作業マニュアルなど、使いながら見る冊子に適しています。
第二の特徴は「軽量性」です。製本に使う材料が針金だけで、接着剤や厚い表紙を必要としません。同じページ数の無線綴じ冊子と比べると、明らかに軽く仕上がります。大量に配布する資料や、持ち運びやすさを重視する冊子では、この軽さが大きなメリットとなります。
第三の特徴は「製本の簡潔さ」です。折って針金で留めるというシンプルな工程のため、製本時間が短く、コストも抑えられます。小ロットでも対応しやすく、急な印刷にも向いています。私が担当した学校の文化祭パンフレットでは、短納期が求められる中、中綴じの製本速度が助けになりました。
見開きページの活用度も高くなります。ページの境目に針金があるだけなので、左右のページにまたがる写真や図表を配置しても、中央部分が隠れません。デザインの自由度が高いことも、中綴じの魅力です。
無線綴じとの根本的な違い
中綴じと無線綴じは何が決定的に異なるのでしょうか。
綴じ方の原理が全く違います。中綴じは針金という「点」で支える構造、無線綴じは糊という「面」で支える構造です。この違いが、強度、開きやすさ、ページ数対応力など、あらゆる特性の差を生み出します。
背表紙の有無も大きな違いです。中綴じには背表紙がなく、折り目があるだけです。書棚に立てて並べることが難しく、タイトルを背に印刷することもできません。一方、無線綴じは背表紙があるため、書棚での管理がしやすく、長期保存に適しています。
対応できるページ数の範囲も異なります。中綴じは8ページから40ページ程度、無線綴じは本文8ページから数百ページまで対応できます。50ページを超える冊子では、構造上の理由から無線綴じが選ばれることが多くなります。
開きやすさは中綴じが圧倒的に優れています。180度平らに開く中綴じに対し、無線綴じは糊で背を固めているため完全には開きません。この違いは、冊子の使い方を大きく左右します。
耐久性では無線綴じが有利です。糊でしっかり固定された無線綴じは、長期保存や頻繁な使用に耐えます。中綴じは針金が錆びたり、紙が針金から外れたりする可能性があり、長期保存には不向きです。
仕上がりの印象も変わります。中綴じは軽快で親しみやすい印象、無線綴じは重厚で格式のある印象を与えます。企業の記念誌なら無線綴じ、季節のキャンペーンパンフレットなら中綴じというように、目的に応じた選択が求められます。

中綿じが得意とする分野
どのような冊子に中綴じが向いているのでしょうか。
イベント配布物は中綴じの典型的な用途です。展示会のパンフレット、セミナーの資料、コンサートのプログラムなど、その場で配布して読んでもらう資料に適しています。軽くて持ち帰りやすく、配布する側の負担も少なくなります。
定期刊行物にも多用されます。会報、社内報、地域の広報誌など、月刊や季刊で発行される薄い冊子では、中綴じがコストと使いやすさのバランスに優れています。毎号同じ仕様で制作しやすいことも利点です。
見開きを活かした資料も得意分野です。料理のレシピ集、製品の使い方ガイド、観光マップなど、大きな写真や図表を見開きで見せたい冊子では、平らに開く中綴じの特性が活きます。
薄いカタログや商品紹介も適しています。16ページから24ページ程度の商品カタログなら、中綴じで十分です。手軽に見られる軽さと、コストの安さが、商談や営業活動での配布に向いています。
冊子印刷ドットコムでは、中綴じ冊子の印刷を1部から承っています。8ページから対応可能で、翌営業日発送などの短納期にも対応できます。
中綴じは、針金で中央を留めるというシンプルな構造ながら、平らに開く、軽量、製本が簡潔という3つの大きな特徴を持つ製本方法です。無線綴じとの違いを理解し、用途に応じて適切に選ぶことで、使いやすく効果的な冊子を制作できるでしょう。
中綴じの基礎知識|要点まとめ
中綴じとは、冊子を中央で二つ折りにして折り目を針金で綴じる製本方式で、週刊誌やパンフレットなど薄くて軽い印刷物の多くがこの方式です。製本の構造は印刷した紙を重ね、中央で折り、針金で留めるだけのシンプルさで、8ページから40ページ程度が適用範囲となります。
製本の仕組みは、1枚の紙を半分に折って4ページ分にし、見開きで対になるページを配置する面付けを行い、中央の折り目を針金2〜3箇所で綴じ、三辺を裁断して仕上げます。ページ数は1枚の紙を折ると4ページ分になるため、必ず4の倍数になります。
中綴じの3つの基本特徴は、針金で中央を留めているだけなので180度平らに開けること、接着剤や厚い表紙を必要とせず軽量であること、折って針金で留めるシンプルな工程で製本時間が短くコストを抑えられることです。見開きページの活用度が高く、デザインの自由度が高いことも魅力です。
無線綴じとの根本的な違いは、針金という点で支える中綴じと糊という面で支える無線綴じの構造差、背表紙の有無による書棚管理のしやすさ、中綴じ8〜40ページと無線綴じ8〜数百ページの対応範囲、180度開く中綴じと完全に開かない無線綴じの開きやすさ、長期保存に強い無線綴じと一時的使用向きの中綴じの耐久性、軽快な中綴じと重厚な無線綴じの印象の違いです。
中綴じが得意とする分野は、展示会やセミナーなどのイベント配布物、会報や社内報などの定期刊行物、料理のレシピ集や使い方ガイドなど見開きを活かした資料、16〜24ページ程度の薄いカタログや商品紹介です。冊子印刷ドットコムでは8ページから1部単位で対応し、短納期も可能です。
















