演奏中に困らない！楽譜冊子を作るときに気をつけたいこと
楽譜冊子には“演奏する人目線”が大事。
コンサートや発表会、合唱・合奏の練習で使用する楽譜冊子。いざ使うときに「めくりづらい」「書き込みにくい」「ページが取れてしまった」なんてことが起きると、演奏にも集中できません。
楽譜冊子は、内容の正確さももちろん大切ですが、「使いやすさ」こそが仕上がりを左右する要素です。印刷の段階で少し気をつけるだけで、格段に扱いやすく、長く使える楽譜冊子に仕上げることができます。
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今回は、実際に使う立場から見て気をつけたいポイントを3つご紹介します。これから楽譜を冊子にしようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
書き込みやすい紙を選ぶ
楽譜は演奏中に音符や強弱記号を書き足したり、指使いやカウントを書き込んだりすることがよくあります。こうした「手書き」の情報が見やすく残せるようにするには、紙質の選び方がとても大切です。おすすめは、表面にあまり光沢のない「上質紙」や「マット系の紙」。ペンや鉛筆での筆記性が良く、消しゴムでも消しやすいため、繰り返しの修正がしやすくなります。
反対に、表面がつるつるしたコート紙は、ボールペンなら問題ないものの、鉛筆ではインクが乗りにくく、消し跡も残りやすくなります。見栄えだけでなく、「演奏しながら書き込むかも」という視点から、筆記性の高い紙を選ぶようにしましょう。
丈夫な紙で長持ちさせる
楽譜は何度も開閉し、屋外や移動先で使うことも多いため、紙の強さも重要なポイントです。特に繰り返し練習で使う場合は、薄すぎる紙だとページが折れたり破れたりしやすくなってしまいます。目安としては、本文には70〜90kg程度の厚みがある上質紙や書籍用紙がおすすめ。表紙はさらにしっかりとした紙にして、冊子全体の耐久性を高めましょう。
また、用紙の厚さを少し上げるだけでも、ページのめくりやすさや手触りが改善され、演奏時のストレス軽減にもつながります。紙は“消耗品”ではありますが、丈夫に作っておくことで、冊子としての価値が長持ちするのです。
演奏しやすい＝よく開く製本
意外と見落としがちなのが「製本方法」です。楽譜を使う場面では、譜面台に立てて開いたままにする必要があるため、自然に開く製本であることがとても大事です。一般的な選択肢としては、以下の2つの製本方式があります
●中綴じ：
ホチキスで真ん中を綴じるシンプルな方式。ページ数が少ない冊子（最大で約40ページ程度）に向いており、開きやすさと軽さが特徴。パート譜や数曲分だけまとめた楽譜には最適です。
●無線綴じ（PUR製本）：
ページを糊で接着して背表紙を作る方式。通常の無線綴じよりさらに強力な接着剤を使うPUR製本は、分厚い冊子でも開きやすく、ページが取れにくいのが特徴です。全曲譜や合唱集など、厚みのある冊子でもストレスなく使えます。
用途やページ数に応じて製本方法を選ぶことで、演奏中に手で押さえなくても開いた状態を保てる、扱いやすい冊子に仕上がります。
・その他のちょっとした工夫
そのほかにも、楽譜冊子ならではの気配りとして次のような点があります：
●見開き構成の確認：
1ページに1曲だけを載せる場合や、1見開きで1曲が完結する場合、印刷時のページ順（ノンブル配置）に注意して構成することが大切です。
●カラーかモノクロか：
基本的にはモノクロで十分ですが、指揮者コメントや注釈、構成図などをカラーで入れるとより分かりやすくなります。カラー印刷はコストが上がるため、必要な部分だけに絞って使うのがおすすめです。
●余白の設計：
書き込みやすさを意識するなら、五線の周辺やページの端に余白を十分とることも忘れずに。
冊子印刷ドットコムなら楽譜にぴったりの仕様も相談可能
『冊子印刷ドットコム』では、楽譜冊子にも対応できる自由度の高い印刷設定が可能です。紙質や厚みの選択はもちろん、中綴じ・無線綴じ・PUR製本にも対応しており、用途や演奏環境に合わせた冊子作りができます。10冊からの小ロット印刷にも対応しているため、学校・教室・アンサンブル単位での印刷にもぴったり。筆記性や開きやすさなど、楽譜ならではの要望にも柔軟に対応できます。
演奏をもっと快適に、そして楽譜を長く大切に使うために。次に楽譜冊子を作るときは、「紙と製本」にも少しこだわってみてはいかがでしょうか。
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