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印刷・製本コラム

まちの魅力を「かたち」に残す――地域創生と冊子の深い関係

観光

地域の魅力を伝える手段、足りていますか?
SNSやYouTubeなど、デジタル媒体による地域PRが盛んに行われています。
「うちもPR動画を作った」「インスタで発信している」という自治体や観光協会も少なくありません。
一方で、「動画やウェブだけでは伝えきれない」「そもそも、訪れた人に旅の思い出として持ち帰ってもらう媒体がない」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そんな今、「紙の冊子」が再び注目されています。実際に手に取れる安心感、情報の一覧性など、観光案内や地域の魅力を届けるには、実は冊子というメディアが最適解なのです。
今回は、観光冊子と地域創生の関係性、効果的な冊子づくりのポイント、そして印刷・製本方法まで、現場で使える情報をご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

地域創生と冊子の「3つの相性」


1. 情報が一覧できるから「観光の全体像」を把握しやすい
観光地を訪れた際、スマートフォンだけでは全体の位置関係やルートを把握するのが難しいこともあります。
Webサイトはピンポイント情報には強いですが、広域のガイドにはやや不向きな面があります。
冊子であれば、見開きマップや周辺施設の一覧が一目瞭然。観光客にとって、散策のルートや予定を立てやすく、「行ってみようかな」が増えるきっかけになります。

2. 手元に残るから「旅の記憶」が長く残る
冊子は旅先で手に取り、ホテルや帰宅後に再び開くことが多い媒体です。
スマホの履歴に埋もれて消えてしまうWeb情報と違い、紙には物理的に存在し続けるという特徴があります。
観光冊子は「次の旅行先の候補」「お土産話のネタ」「口コミのきっかけ」につながる可能性を秘めているわけです。

3. 地域の「ストーリー性」を演出しやすい
最近の観光PRでは、「何があるか」よりも「なぜ訪れる価値があるのか」というストーリー性が重視される傾向にあります。
冊子は、ページをめくるごとに順を追って情報を提示できるため、ストーリーを伝えるのに最適な媒体です。
例えば…

表紙:「ようこそ、○○町へ」
冒頭:「まちの歴史や文化」
中盤:「見どころやモデルコース」
最後に:「グルメや宿泊情報」

といったように、流れを自然に構成できるのも冊子ならではの魅力です。


どんな冊子が観光PRに向いている?


■ 中綴じ/くるみ綴じ(無線綴じ)──製本方法によって印象が変わる

冊子づくりに欠かせないのが製本仕様の選択。
とくに観光PRでは、見た目・使い勝手・予算などに応じて「中綴じ」と「くるみ綴じ(無線綴じ)」の2種類が多く使われています。

中綴じ冊子とは?
中綴じは、紙を二つ折りにして中央をホチキスで留める製本方法です。パンフレットやミニガイド、イベント配布用の小冊子に多く使われています。
ページ数が少ない冊子向き
フラットに開けるため、マップなどの見開きに最適
印刷コストが抑えられるため、大量配布にも向く
丸めることもでき、携帯性に優れる

例:町歩きガイド、観光マップ、小規模イベント冊子

くるみ(無線)綴じ冊子とは?
くるみ(無線)綴じは、本文を糊で背表紙に接着し、表紙で包み込むように仕上げる製本方法です。辞書や小説などと同じ形で、耐久性があり高級感があります。
ページ数が多い冊子にも対応(24P〜100P以上)
背表紙がつくため、書棚に並べてもしっかり見える
高級感がありブランディング効果もアップ

例:観光協会の公式ガイドブック、移住促進冊子、宿泊施設向けの情報冊子


イラストMAP


印刷会社が教える「観光冊子づくりのポイント」


1. 地域ごとの「色」を明確に
冊子全体のデザイン・トーンを通して「この地域ならでは」の個性が伝わるようにしましょう。
伝統文化、自然、食、地元の人々の表情などを写真と文章で丁寧に表現すると、情報誌ではなく「想いのある冊子」になります。


2. 冊子の「ゴール」を決める
「観光客を増やしたい」のか、「町の印象を変えたい」のか、「移住者を呼びたい」のか。目的によって構成や製本、配布方法も変わってきます。
例えば:
観光客向けの案内 → 中綴じ+薄手コート紙+無料配布
移住促進冊子 → くるみ綴じ+厚手マット紙+イベント配布

差がつく!観光冊子の「配布・設置」の工夫


冊子の内容をどれだけ丁寧に作り込んでも、手に取ってもらえなければその魅力は伝わりません。
ここでは、効果的な配布・設置の工夫についてご紹介します。


● 観光拠点だけでなく「暮らしの場」にも置く
冊子というと観光案内所や道の駅、宿泊施設などに設置されるのが一般的ですが、最近ではカフェや美容室、地元スーパーの情報コーナーなど、日常の中で自然と手に取れる場所に置くことで、地元の人からの拡散や口コミにもつながっています。


● SNSと連動した「デジタル連携」で再訪促進
紙の冊子といえど、QRコードを使ってSNSや動画へ誘導する仕組みを作れば、デジタルとのハイブリッド活用が可能です。
例えば、観光モデルコースの紹介ページに動画のQRコードを掲載したり、地域のお店のInstagram投稿に誘導したりといった工夫で、紙からデジタルへ、そしてまた現地へ──という流れをつくることができます。


● 持ち帰ってもらう「仕掛け」を用意する
観光冊子にクーポンやスタンプラリーなどの「お得感」を加えることで、冊子を持ち帰る動機が生まれます。
冊子の中綴じ部分にクーポンを挟み込んだり、製本方法を活かした仕掛けも可能です。


地元の声を反映させる冊子づくりのすすめ


冊子を一方的な「宣伝ツール」にしてしまうのはもったいない話です。
真に「伝わる」冊子を作るには、地域の人々の声や視点を反映させることがカギになります。


● 住民参加型で「地域目線」を表現
観光冊子の制作において、地元の高校生や住民、観光ボランティアなどと一緒に編集する事例も増えています。
地元ならではの視点や言葉が加わることで、ありきたりな観光案内ではなく、「そのまちならでは」の魅力が伝わる内容になります。


● 地元事業者や店舗とのコラボで関係人口を創出
冊子内に地元のカフェ、宿泊施設、農産品販売所などを紹介するだけでなく、インタビューやコラム形式で「人」の顔が見える情報を載せることで、読者の親近感や共感を引き出します。
さらに、掲載店舗と冊子配布を連携すれば、観光客との接点も増え、地域経済への波及効果も期待できます。


印刷会社は「地域の編集者」でもある


観光・地域創生において、冊子は単なるパンフレットではありません。
それは、地域の魅力や人の想いをかたちにし、受け取った人に長く記憶される「物語の器」です。
そして、その器をつくるパートナーとして、私たち冊子印刷ドットコムは印刷のみならず、デザインや製本方法の提案まで、一貫したサポート体制を整えています。
地域を愛する皆さまとともに、「伝わる」観光冊子をつくるお手伝いができれば幸いです。
ぜひお気軽に冊子印刷ドットコムまでご相談ください!

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