卒業文集〜心に残る一冊のために〜

桜の季節が近づくと、いよいよ卒業文集の制作は佳境を迎えます。
共に過ごした学校生活の思い出が一冊の本にまとまった卒業文集は、かけがえのない大切な記念品として長く手元に残るものです。
今回は、そんな充実した卒業文集を作るためのポイントをご紹介していきます。
ある日突然、あなたが編集委員に任命されて慌てないためにも、しっかりとお役立てください。 卒業文集は、学校生活の思い出を文章や写真で残す大切なアルバムです。
クラスメイトと過ごした日々の出来事、学校行事でのエモーショナルな瞬間、先生方との心温まるエピソードなど、青春時代を象徴する思い出が詰まっています。
もちろん、卒業文集は単なる記録集ではありません。
クラスメイト1人1人の個性が光る文章や写真を通じて、お互いの新たな一面を発見できるチャンスともなります。
卒業して何年を経ても、当時の思い出が鮮やかによみがえってくる、そんな宝物となる一冊を目指していきましょう。
卒業文集の構成
表紙を除く、一般的な卒業文集の構成としては次のようなものがあります。
1)巻頭ページ
学校長の言葉や担任の先生方からのメッセージ、クラス代表の言葉などが収められます。
2)クラスの記録
クラス全員の氏名や個人写真の他に、学校行事でのエピソード、授業や給食の思い出、係活動や委員会活動の記録などを掲載していきます。
3)写真ページ
集合写真、入学式や運動会、文化祭や修学旅行などで撮られた写真、日常の学校生活でのスナップなどを、見開きを生かした大きなサイズの写真で見せていきます。
4)特集ページ
各クラスが思い出を語り合う座談会や先生方へのインタビューを収めます。
記憶に残るエピソードや3年間の活動をタイムラインで見せるのもよいでしょう。
「先生に聞きたい10の質問」「給食の人気ランキング」「クラスの流行語辞典」など、個性豊かな企画を立ててユニークなものにしたいところです。
5)寄せ書きコーナー
クラスメイトからのメッセージや教科担任の先生方からの言葉の他、部活動の顧問からのメッセージをリアリティーのある手書きの文字やイラストなどを絡めて紹介していきます。
企画・編集のポイント
文集やアルバムづくりの経験が少ない方のために、企画・編集のポイントをご紹介します。
1)原稿収集のコツ
忙しい学校生活の中で原稿を依頼しても、なかなかスケジュール通りには進まないものです。
締め切りはあらかじめ余裕を持って設定しましょう。
原稿を依頼する際は、文字数制限を明確に伝えることも肝心です。
いざレイアウトを始めたら文字が窮屈になったり、逆に空白が目立ったりということがないようにしたいものです。
写真の提出を依頼する場合は、その方法を具体的に説明しましょう。
特に画像の解像度については印刷クオリティーに直結しますので、サイズも含め具体的に数値で依頼する方が安心です。
2)写真選びのポイント
表情豊かで、行事や日常の様子が伝わる写真を選ぶのはもちろん、特定の生徒の写真が多く掲載されないように心がけることも大切です。
3)レイアウトの工夫
読みやすい文字の大きさとフォント、写真と文章のバランス、見やすいページ構成、統一感のあるデザインなど、卒業文集といえども通常の冊子と同じ視点からレイアウトしていきましょう。
DTPの知識がある先生の協力を仰ぐのもよいと思います。

卒業文集に適した製本方法
ネットで検索すると様々な製本方法があり、どれを選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。
冊子印刷ドットコムがおすすめするのは「上製本」「無線綴じ(くるみ綴じ)」「中綴じ」です。
「上製本」は、本の中身をしっかりと糸で綴じ、別仕立ての厚めの表紙でくるみます。表紙には布クロスや紙クロス、革などを用い、芯紙をそれらでくるみ仕上げます。
美術書や企業の記念誌など高級感を求められる冊子で用いられる製本方法となります。
「無線綴じ(くるみ綴じ)」は糸や針金を使わず、本の背を糊で固めて綴じます。
耐久性があって長期保存にも適し、本のノドいっぱいまで開くことができるため、写真を生かしたアルバムにもよく使われています。
「中綴じ」は二つ折にした紙の折目の部分を針金で留める製本方法で、週刊誌などに用いられています。
比較的安価に仕上げられますが、カジュアルな印象がありますので、クラス単位・クラブ単位での文集に適しています。
文集制作のスケジュール例
では、実際の文集制作のスケジュールはどのようになっているか、一例を見ていきましょう。
これはあくまでもサンプルですので、各学校の規模や手渡す時期によってもかなり変動することをご承知おきください。
卒業6ヶ月前:
企画会議で役割分担を決定し、予算や仕様を確定していきます。
原稿依頼の準備を始めるのもこの時期になります。
卒業4ヶ月前:
依頼した原稿や写真の収集を開始します。
デザインの方向性もこの時期までに決定しておきましょう。
卒業2ヶ月前:
原稿の編集や校正を行います。
レイアウト作業を終え、印刷会社にデータを連携します。
その後、印刷・製本・納品という流れになります。
学校により、卒業式当日に手渡しする場合、卒業3〜4ヶ月後に郵送する場合がありますので、この期間には幅があります。
学校内で流通するものとはいえ、制作時に注意すべき点はいくつかあります。
まず最初に注意すべきは個人情報の取り扱いです。
名簿への住所や電話番号、SNSアカウントの掲載については、そのデータの扱いも含めて事前に厳格な運用ルールを定めておきましょう。
さらに、歌詞や小説の引用、インターネットからの画像流用、背景素材やイラストを使用する場合は、著作権への配慮も必要です。
商用使用を目的とするものではないものの、引用元を明記するなど、ルールづくりを検討しましょう。
卒業文集は、学校生活の集大成として、また未来に残す貴重な記録として大切な意味を持っています。
先生方やクラスメイトが協力して作り上げること、それ自体が素晴らしい思い出となるはずです。
冊子印刷ドットコムは、長年の冊子づくりの経験を生かし、皆様の大切な思い出を形にするお手伝いをさせていただきます。
例えば、表紙を1人1人デザインを変えて印刷する(可変印刷)など、よりカスタマイズされた注文も承ります。
また、プリントした用紙や、写真を切り貼りしたアルバム、手書きの原稿などもご利用可能です。
ご不明な点がございましたら、経験豊かなスタッフがお答えいたしますので、お気軽にご相談ください。
1人1人の思いが詰まった、世界に1つだけの卒業文集を私たち冊子印刷ドットコムと一緒に作り上げていきましょう!