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知っておきたい、小ロット印刷のメリット/デメリット

環境イメージ


従来は冊子印刷といえば大量生産が一般的でしたが、近年のデジタル技術の進歩によるオンデマンド印刷の普及により、少部数での印刷が誰でも手軽に行えるようになりました。


小ロット印刷の需要の高まりには、ビジネス環境の変化が大きく影響しています。多様化する顧客ニーズや迅速な情報更新の必要性、そして効率的な在庫管理など、現代のビジネスシーンに小ロット印刷が適しているのです。


今回は、そんな小ロット冊子印刷のメリットとデメリット、その活用方法までご紹介します。 まず最初に、小ロット冊子印刷のメリットをご説明します。


1)印刷コストの抑制


小ロット冊子印刷の最大の利点と言えるのが、コストを大幅に抑制できることです。従来のオフセット印刷では「刷版」と呼ばれる原版フィルムの作成が必要で、これがコストダウンのネックとなっていました。これに対し、小ロット印刷では刷版を必要としないため、印刷会社にとっても印刷コストを削減することができ、価格も下げることができるようになったわけです。


2)在庫リスクの低減


次に挙げられる大きなメリットは、在庫リスクを最小限に抑えられることです。大量印刷では、1部当たりのコストを下げるために大部数を一度に印刷することが一般的でした。しかし、これは同時に大量の在庫を抱えるリスクも意味していました。小ロット印刷では、その時に必要な部数だけを印刷できるため、過剰在庫のリスクを大幅に減らせます。また、消化具合に応じて追加で印刷するといった柔軟な対応が可能となり、廃棄リスクの低減にもつながります。


3)情報更新の容易さ


市場動向や製品情報の変化に迅速に対応し、常に最新の情報を提供できるのも小ロット印刷の利点です。例えば、製品カタログや価格表などを定期的に更新する場合、小ロット印刷なら無駄なく柔軟に対応できます。新製品の追加や価格変更を反映させることが容易で、顧客に常に最新かつ正確な情報を提供できるので、ビジネスの信頼性向上にもつながります。


4)多様なバリエーション


例えば、製品カタログを作成する際、業種別や地域別にカスタマイズしたバージョンを作る必要が生じることがあります。小ロット印刷では、共通の基本デザインを使いながら、複数のバージョンを作成しやすくなります。同じ製品でも、初心者向けと専門家向けで説明の詳細さを変えるなど、ターゲットのニーズに合わせた冊子を効率的に作成することも可能です。


5)短納期での対応


オンデマンド印刷はオフセット印刷に比べ工数が少なく、入稿から印刷までの時間を大幅に短縮できます。このため、急な依頼やスケジュールがタイトなプロジェクトで幅広く用いられています。


6)環境負荷の低減


小ロット印刷は、必要な部数だけを印刷するため、紙の無駄を大幅に削減できます。これは、昨今の環境保護の観点からも非常に重要なポイントです。大量印刷では、コストを優先し必要以上の部数を印刷した結果、使用されないまま廃棄される冊子が多く発生することがありました。小ロット印刷では、追加が必要になったタイミングで印刷することができるため、無駄な廃棄物を最小限に抑えることができます。これは、企業のCSR(企業の社会的責任)活動の一環として評価される取り組みとなります。環境に配慮した印刷方法を採用していることを、顧客や取引先にアピールすることも可能です。


以上のように、小ロット冊子印刷には多くのメリットがあり、様々な面でビジネスに貢献することが期待できます。



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同時に、小ロット冊子印刷にはいくつかのデメリットもありますので、知っておきましょう。


1)1部単価の上昇


小ロット冊子印刷のデメリットとして、1部あたりのコストが多部数印刷に比べて高くなることが挙げられます。これは部数に対する固定費の割合が増すことが主な理由となります。また、需要を見誤ったことで小ロット印刷の回数が重なると、結果的に多部数印刷と比較して印刷費用が増大する可能性があります。


2)品質の一貫性


小ロット印刷では、発注ごとに微妙な品質の差が生じる可能性があります。これはそれぞれの印刷時における印刷機やインクの状態、環境条件などによるものです。技術の進歩によってその差異はほとんど意識できないものになっていますが、人的な要因も否定することはできません。冊子印刷ドットコムには経験豊富なベテランスタッフが揃っておりますので、ご安心ください。


小ロット冊子印刷には多くのメリットがある一方で、これらのデメリットも考慮する必要があります。プロジェクトの規模や予算、求められる品質、納期などを総合的に検討していきましょう。


このようにメリット/デメリットがある小ロット冊子印刷ですが、その効果を最大限に活用できるのは、どんなシーンでしょうか?ここでは、小ロット冊子印刷ならではのメリットが発揮できる印刷物をご紹介します。


1)イベントや展示会のプログラム


小ロット印刷は、イベントや展示会向け冊子の作成に適しています。あらかじめ予想される参加者数に合わせて必要な部数だけを印刷でき、内容を更新することも容易です。展示会での新製品カタログ、発表会や学園祭のプログラムなどに活用できます。


2)限定商品や季節限定のパンフレット


限定商品のカタログや季節限定のパンフレットなども小ロット印刷に適しています。需要の変動に柔軟に対応でき、在庫リスクも低減できます。このため、クリスマス限定商品のカタログや季節ごとの旅行パンフレットなどで用いられています。


3)報告書や会議資料


多部数印刷するほどではないけれども、社内でコピーをホチキス止めするのは手間がかかりすぎる、限られた配布範囲の報告書や会議資料にも小ロット冊子印刷はおすすめです。中綴じ製本を選べばコストも最小限に抑えることができます。


小ロット冊子印刷には、柔軟性や迅速性、カスタマイズ性におけるメリットがある一方で、コスト面や品質の一貫性などにデメリットも存在します。これらのバランスを考慮し、目的や規模に応じて適切な印刷方法を選んでいきましょう。


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