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印刷・製本コラム

冊子づくりの知識〜印刷用紙の選び方

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私たちの暮らしを取り巻くさまざまな変化と同様に、印刷物の世界も、デジタル技術の進歩とともに大きく様変わりしてきました。
しかし、その中でも変わらない重要な要素の1つが、用紙選びです。

目的に合った適切な用紙を選ぶことは、印刷物の質感や仕上がりを大きく左右し、最終的な印象を決定づける重要な要因となります。
世の中には実に多くの種類の印刷物がありますが、書籍や雑誌、パンフレット、ポスター、ノートや教科書など、それぞれの用途に応じて異なる種類の用紙が使用されています。
しかし、一般のユーザーにとっては、これらの用紙の違いを意識し、特徴を理解する機会はあまり多くないのではないでしょうか。 今回は、冊子印刷で使用されることの多い3種類の用紙、「コート紙」「マット紙」「上質紙」を取り上げ、それぞれの特徴や適した用途についてご紹介していきます。
これらの知識を身につけることで、目的に合った最適な用紙を選択できるようになり、より魅力的な冊子づくりにつながっていくはずです。

例えばコート紙は、光沢と鮮やかな色彩再現性に優れ、ポスターやカタログなど、視覚的なインパクトが求められる印刷物に適しています。
一方、マット紙は落ち着いた質感と可読性の高さが特徴で、長文の読み物や高級感のある印刷物に使用されています。
また上質紙は、自然な風合いと書き込みのしやすさから、ビジネス文書や教科書、ノートなどに広く用いられています。

これらの用紙は、それぞれに独自の特性を持っていて、印刷物の目的や内容、ターゲットや予算などに応じて選択する必要があります。
適切な用紙の選択は、印刷物の品質を向上させ、伝えたいメッセージをより効果的に届ける助けとなるわけです。

印刷用紙の世界は奥深く、今回ご紹介する3種類以外にもさまざまな用紙が存在します。
まずはコート紙、マット紙、上質紙という代表的な用紙の基本的な知識を身につけることで、印刷物の企画や発注の際に、より的確な判断ができるようになるでしょう。

1)コート紙


コート紙は塗工紙の一種で、紙の表面に白い塗工液を塗布した用紙です。表面が滑らかで光沢があり、触ってみるとペタペタとした感触があります。


コート紙の特徴として挙げられるのが、優れた印刷再現性と発色の良さです。色彩が鮮やかで高級感のあるイメージを表現できます。
このため、鮮明な画像表現が求められる写真集や画集、 商品カタログやポスター、雑誌の表紙などに多く用いられています。


ただし、強い光沢によって光が反射し、読みにくさを感じる場合があります。
また表面が滑らかなため、ペンや鉛筆による書き込みがしにくいといったデメリットも持っています。


2)マット紙


マット紙もコート紙と同じく塗工紙に分類されますが、つやを抑えたコーティングが施されていて、落ち着いた印象を与えます。
表面は少しだけザラついた感触がありますが、コート紙とはまた違った高級感を醸し出す用紙です。


こちらも着色効果の高さが特徴として挙げられますが、コート紙に比べ光沢を抑えているため、より上品で落ち着いた印象があります。
また、光の反射が少ないため、目が疲れにくく、細かな文字も読みやすくなります。
このため、文字が多くなりがちな図鑑や辞典、会社案内や図録などで用いられるケースが多くみられます。さらに文字の書き込みがしやすいといった特徴も持っています。


ただし、コート紙と比べるとマット紙は光沢が少ない分、色彩の鮮やかさはやや抑えられた印象となります。見た目の派手さを求める場合には注意しましょう。


3)上質紙


上質紙は、表面に塗工処理を施していない非塗工紙の一種です。コピー用紙として用いられることも多いため、最も身近な用紙と言えるかもしれません。
塗工処理をされていないので、マット紙よりもさらにザラザラとしており、紙本来の質感を感じることができます。


高い吸水性・吸油性を持っているのでインクが染み込みやすく、鉛筆も滑りにくくなっているため、書き込みが非常にしやすい用紙だと言えます。
このため、社内文書や報告書などのビジネス文書や 手帳、ノートや便箋など、文字の書きやすさや吸収性(速乾性)が求められる場面で選ばれています。


ただし、インクの染み込みやすさは滲みやすさにも繋がるため、写真や細かい図版の再現性はコート紙やマット紙に劣ります。
同時に両面印刷の際には裏写りに対する注意が必要になります。また、表面加工がないために摩擦や水濡れに弱い傾向も持っています。


これらの特徴を理解した上で、目的に応じた適切な用紙の組み合わせを考えていきましょう。


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写真や画像が多い=コート紙・マット紙
テキストが中心=マット紙・上質紙


長時間の閲覧、長期間の保存が想定される=コート紙・マット紙
高級感を演出したい=コート紙・マット紙
書き込みが必要=マット紙・上質紙


コスト重視=上質紙
品質重視=コート紙・マット紙


環境への配慮=上質紙
(冊子印刷ドットコムではグリーン購入法適合品をお選びいただけます)


ラミネート加工・PP加工が必要=コート紙
中綴じで軽量な冊子にしたい=上質紙


もちろん例外はありますが、このような組み合わせが考えられると思います。


印刷用紙の選択は、印刷物の質感や効果を大きく左右する重要な要素です。
印刷物の目的や内容、予算や環境への配慮などを総合的に検討し、最適な用紙を選択することで、より効果的な印刷物を作ることができます。


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