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印刷・製本コラム

知っておきたい冊子の保存法

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媒体のデジタル化、クラウド化が日常の光景となっている世の中ですが、私たちの日々の生活やビジネスシーンにおいて、印刷物は今も欠かせません。
ざっと見渡しても、パンフレットやカタログ、マニュアルや写真集、公的文書など、様々な形で私たちの周りに存在していることが分かります。


これらの印刷物は、単なる情報の媒体ではありません。
時には大切な思い出や貴重な資料を後世に伝える役割もになっているのです。
しかし印刷物というものは、適切なケアを怠ると時間の経過とともに劣化してしまう可能性があるのも事実です。


日光(紫外線)による変色や退色、湿気によるカビの発生、粗雑な取り扱いによる破損など、印刷物の劣化を引き起こす要因は数多く挙げられます。
これらのリスクから大切な印刷物を守り、長期にわたって美しい状態を保つためには、適切なメンテナンス方法を知り、正しく実践することが必須となります。 印刷物をきれいに保つためには、保管方法や日常的な取り扱い、クリーニング技術、環境管理など、多岐にわたる要素を考慮する必要があります。また、印刷物の種類や素材によっても、最適なメンテナンス方法は異なります。


今回は、印刷物を長期間にわたって美しく保つためのメンテナンス方法についてご紹介していきます。適切なメンテナンスやケアの方法を知り、大切な印刷物の保管にお役立てください。



印刷物を長持ちさせるためのケアは、専門家の専売特許ではありません。日常的なケアは私たちでも十分に実践できるものなのです。


まず重要なものが、保管場所の選択です。
直射日光や蛍光灯の強い光はインクの退色などを引き起こし印刷物を劣化させるため、暗い場所での保管が理想的だと言えます。
本棚やキャビネットの中に入れるだけではなく、光の当たりにくい設置箇所を検討しましょう。


また、高温多湿の環境はカビの発生を促すため、涼しく乾燥した場所を選びましょう。
地下室は一見保管に向いているイメージがありますが、結露や漏水などによる影響がないか、事前に確認しておくことが必要です。
湿気対策として、本棚やキャビネットに市販の除湿剤を置くのも効果的です。ただし、除湿剤が直接印刷物に触れないよう注意してください。


取り扱い方にも注意をしましょう。美術書や古文書などデリケートな印刷物に触れる前には必ず手を洗い、清潔な状態を保つように心がけます。
特に、油分や汗はカビの原因ともなり、印刷物にダメージを与える可能性があります。
必要に応じて手袋を使ってもよいでしょう。
もちろん、飲食や喋りながら閲覧することも避けるようにしてください。


清掃をする際には、柔らかい刷毛や静電気防止クロスを使って優しく埃を払いましょう。
必要以上に力を入れると印刷面を傷つける可能性があるので注意が必要です。


また、重ねて保管する場合は、重みで変形しないように平らな状態を保つことが大切です。
同じサイズの印刷物を重ねる、あるいは重心が偏らないように互い違いに積み重ねるのも効果的です。


このような簡単なケアを日常的に行うことで、印刷物の寿命を延ばすことができます。
特別な道具や専門知識ではなく、基本的な心遣いと注意深さが鍵となるわけです。


その一方、専門家の助けが必要な場合もあります。
特に、歴史的価値のある文書、希少な書籍、芸術作品などは、専門家のサポートを求めましょう。


専門家に相談すべきケースとしては次のようなものが挙げられます。


1)重度の損傷(大きな破れ、水濡れ、カビの発生など)
2)酸性紙を使った古い文書の損傷
3)貴重な美術書や歴史的文書
4)虫害による深刻な劣化

これらは中途半端な知識で対応しようとすると、かえって損傷を悪化させる可能性があります。美術館や図書館、公共機関などに協力を仰げば、修復の専門家を紹介してもらえることもあります。


専門家に依頼すればそれなりの費用はかかりますが、貴重な印刷物を適切に保存し、その価値を長く維持することができます。
お持ちの印刷物の価値を精査し、必要な投資であるかどうかを慎重に検討してください。


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印刷物の保存はもちろん、アクセシビリティー向上の観点でも、デジタル化は非常に有効な手段だと言えます。


まず、基本的にデジタルデータは物理的な劣化を受けることがありませんので、長期保存が可能となります。
そして、時間や場所の制約に縛られることなくアクセスでき、保管スペースの大幅な削減や情報共有のスムーズといったメリットも持っています。


デジタルブックには印刷物のような手触りや重さなど、「所有する喜び」のようなものはありませんが、重要な補完手段となります。
特に、貴重な資料や頻繁に参照する必要がある文書のデジタル化は、原本の保護とユーザビリティーの向上に大きく貢献します。
冊子印刷ドットコムではデジタルブックの制作も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。


冊子をはじめとする印刷物は、適切な保管環境の選択や丁寧な取り扱い、定期的な清掃などの基本的なケアによって、その寿命を大幅に延ばすことができます。
同時に、重要度に応じて専門家によるサポートやデジタル化なども利用すれば、大切な印刷物を末永く保存し、その価値を次世代に伝えることができるようになります。


無線綴じ(くるみ綴じ)や中綴じによる冊子製作で長年の実績を持つ冊子印刷ドットコムでは、印刷・製本方法から用紙の選択まで、お客様のご要望に応じて適切なご提案が可能です。
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