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知っておきたい、電子ブックと冊子印刷のメリット

電子ブック

現代社会では、テクノロジーの急速な進歩により、電子ブックの人気が高まっています。みなさんも、周囲にスマートフォンやタブレット、専用のリーダーなどのデバイスを使って読書する人が機会が多くなっていることを実感されているのではないでしょうか。あるいは、みなさん自身もすでに電子ブックを使用されているかもしれません。


そういった背景もあり、冊子の発行をするに当たって、紙と電子ブックの両形式でどちらを選ぶべきか悩まれるケースを目にすることがあります。今回は、紙の本と電子ブックそれぞれのメリットやデメリットを比較し、冊子ならではの強みをご紹介していきます。みなさんの冊子づくりにきっと役立つ情報になると思いますので、ぜひご参考ください。 それでは、早速ですが電子ブックのメリットについてご紹介していきます。

電子ブックのメリット



1. 高い携帯性
従来、複数の本を持ち歩くことには「重量」という問題がつきまとっていました。しかし、電子ブックの登場により、無数の本を持ち運べるようになったのです。重さの問題から解放され、読書の自由度を大きく広げました。


2. 入手の簡単さ
電子ブックの普及により、「欲しい」と思った瞬間に本を手に入れられるようになりました。書店の営業時間や担当者の勤務時間に左右されず、ネット接続さえあれば、即座にダウンロードできるわけです。


3. 無限の本棚
本に必要なものといえば収納スペースです。紙の冊子は場所を取り、適切な維持・管理も必要になります。その点、電子ブックは何百、何千冊の本であろうが物理的なスペースは必要ありません。もちろん紙の劣化とも無縁です。いつでも新品同様でメンテナンスフリーな本棚を手に入れたことになります。


4. 学びと記録
電子ブックのもう一つの強みは、本に対して能動的なアクションを取れることです。紙の冊子では、メモやハイライトが多くなると可読性を損ねてしまいます。しかし電子ブックでは、何の気兼ねもなくメモやマーキングができます。しかも、それらは簡単に編集や削除が可能なわけです。読む人の思考や学びのプロセスを自由に記録できるのです。


一方、以下のようなデメリットも存在します。


電子書籍の落とし穴:目の健康とバッテリー寿命の課題



1. 健康面への負担
電子ブックの利用に当たって最大の懸念は、電子デバイスから発せられるブルーライトです。これは太陽光にも含まれるものではありますが、長時間浴びると目の疲労を引き起こします。さらに、夜間に長時間ブルーライトにさらされると体内時計が狂い、睡眠障害を引き起こす可能性があることがしられています。


2. 電力とネット環境への依存
電子書籍のもう一つの課題は、デバイスの電力とネット環境への依存です。スマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーには定期的な充電が必要ですから、特に長時間の移動が伴えば、バッテリー切れの不安がつきまといます。また、ネット環境が整っていない場合、前もって端末本体へのダウンロードをしておかないと、いざという時に読むこともままなりません。


では、紙の冊子のメリットとは何でしょうか?



1. 読書が脳を活性化?
ノルウェーで行われた研究で、参加者を二つのグループに分け、同じ短編小説を読ませました。半数は電子ブック、一方の半分は紙の本で読みました。読後に物語中の14の出来事を正しい順序に並べるテストを行うと、紙の本を読んだグループが明らかに優れた結果を残したのです。紙の本が物語の空間的・時間的構造の把握に優れていることを示唆する結果となりました。


また別の研究では、電子ブックは文字の鮮明さやページめくりの容易さで高評価を得たものの、文章への集中力や疲労感では紙媒体が優位だったのです。さらに文章理解度のテストでも紙媒体が電子ブックを上回りました。


このように、情報の深い理解と記憶定着において、紙の本の方が優れているという結果がいくつかの研究で得られています。ですから、学習テキストやマニュアル、作業手順書などには紙の冊子が適していると考えることができるわけです。


2. 所有欲と満足感
本棚に並ぶ冊子は、単なる情報の蓄積ではありません。それは、あなたの学びや経験の証となるわけです。無線綴じ(くるみ綴じ)印刷なら背表紙を作ることができるので、それをより可視化することができます。


本屋





また、先ほどの「読書による活性化」にも繋がる話ですが、表紙のデザイン、紙の質感、インクの匂い、ページをめくる音……、これらが視覚だけでなく触覚にも訴えかけ、より豊かな体験となって記憶されるわけです。また、小さな書き込みや折り目さえも、自分の体験を呼び起こすきっかけになっていきます。


以上のようなメリット/デメリットから、紙媒体に向いている印刷物として3つ挙げてみます。

紙媒体に向いている印刷物



1. 業務マニュアル
業務が正しく運用されるために欠かせないマニュアル類には、使い勝手が求められます。重要な箇所をマーキングしてチーム内で共有すれば、急を要する場面でも素早く正しい知識を引き出せます。さらに、一冊のマニュアルを共有することで、思考が刺激され議論が深まります。この共有と蓄積のプロセスによって、組織の知的成長が促されるわけです。


2. 参考書・問題集
みなさんも経験があると思いますが、高校や大学受験はもちろん、資格取得のための勉強の中で弱点を発見したら、その箇所にマーカーを引き、メモを書き込みます。繰り返し学習することで、この「学びの痕跡」は強化され、知識が定着します。電子ブックのハイライトやメモ機能も便利ですが、手を使った自由な書き込みには及びません。手書きのメモは、脳の記憶中枢を強く刺激し、学習を加速させるのです。

3. 写真集
写真や美術の鑑賞においては、今もなお紙が王座を守り続けています。高解像度のスクリーンでも捉えきれない、紙の質感と深み、粒子感、インクの艶。これらが一体となって、写真に魂を吹き込みます。さらに、写真集や作品集は単なる画像の集まりではありません。それは芸術家の意図が凝縮された、1つの作品です。ページをめくる順序、見開きのレイアウト、本の重量感。これらすべてが、鑑賞体験の一部となるわけです。


創業55年、冊子づくりにおいて長年の実績を持つ冊子印刷ドットコムでは、経験豊かなスタッフが冊子印刷はもちろん、電子ブック制作に関わるどんな細かな質問にもお答えいたします。冊子の目的に沿った適切な媒体を使って、効果を最大限にできるよう、私たちにぜひお手伝いをさせてください!

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