ホワイトペーパーを冊子にしてビジネスを広げていきましょう
皆さんは「白書」という言葉を聞いて、どんなものをイメージするでしょうか?
そもそもの定義としては「中央省庁が編集する印刷物で販売又は頒布するもののうち、内容が政治経済社会の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするものであること。 図書の形をとるものに限り個人名で編著されるものも除くので、定期刊行物やパンフレット類、法令解説書や統計調査報告書などは白書に含まれない」とされています。
……ちょっと分かりにくいですよね。
もう少し噛み砕いて言うと「政府が政治・経済・外交などの実情や施策を国民に知らせるために公表する報告書」ということになります。 もともとはイギリスで、内閣が議会に提出する公式報告書を、その表紙の色から「ホワイトペーパー(white paper)」と通称していたことが由来となって、日本でも政府が作成する報告書を「白書」と呼ぶようになったそうです。ちなみに、スペインでは表紙の色から「黄書」と呼ばれています。
ここまで聞くと、「ああ、お役所が出すものだし、自分たちが制作に関わることはないんだろうな」と思うかもしれませんが、地方自治体や民間が発行する報告書や調査レポートの類にも「白書」と付けているものも見られます。
そしてここからが今回の本題なのですが、「ホワイトペーパー」という言葉は、最近ではBtoBビジネスの場で用いられる、冊子をはじめとした読み物やコンテンツを示すことが多くなっているんです。マーケティング施策のための、自社が提供する商品やサービスに関する説明、技術に関する分析情報などをまとめた資料のほかにも、課題解決のための提案資料として、あるいは基礎知識の普及に至るまで幅広くこの「ホワイトペーパー」が活用されています。
そう聞くと「従来のカタログとどう違うの?」と思われるかもしれませんが、その目的とターゲットは大きく異なります。
いわゆるカタログなどのサービス資料は、すでにその製品やサービスに興味を持っている人々、つまり具体的に購入を検討、あるいは購入の選択肢の1つとして想定している人々をターゲットとしています。
これに対して、ホワイトペーパーのターゲットは、製品やサービスそのものよりも、その背後にある課題やビジネステーマに関心がある人々です。
つまり、ホワイトペーパーは製品やサービスについて直接的な興味や関心がない人々にもアプローチし、その分野の課題や背景を理解してもらうことを目指しています。このため、製品やサービスは、それらの課題を解決する1つの選択肢として位置付けられています。
このように、ホワイトペーパーは教育的な役割を担い、潜在的な顧客層の関心を惹きつけることが目的となる一方、カタログ(サービス資料)は、既に興味や関心を持つ顧客層に対して、具体的な製品やサービスの詳細、価格やメリットを提示することを目的としているという違いがあるわけです。
では、皆さんの会社がホワイトペーパーを発行するとして、そこにはどのようなメリットがあるのでしょうか?また、どのようなメリットを生み出すホワイトペーパーを作るべきなのでしょうか?
まず、ホワイトペーパーは自社の専門性と信頼性を高める手助けとなります。自社のサービス事例や特徴的なノウハウを基にした内容を盛り込んだ情報を提供することで、見込み顧客に対して高い専門性を示すことができます。専門性の高さが認知されれば、自ずと信頼度も高まり、競合他社との差別化にも繋がって、業界内で有利な立場に立つことができるようになります。
さらに、ホワイトペーパーには長期的な効果が期待できます。一度ホワイトペーパーを作成してしまえば、その効果は継続的に発揮されるわけです。もちろん制作には一定の時間と人的リソースの投入が必要で、それに伴う費用がかかりますが、質の高いホワイトペーパーをつくることができれば、長期間にわたって見込み顧客の獲得といった効果を得ることができます。
このように、ホワイトペーパーは専門性と信頼性の向上、そして持続的な効果という2つの大きなメリットをもたらします。企業はこれらのメリットを活かして、ホワイトペーパーを戦略的に活用することが求められます。
ここからは、具体的なホワイトペーパーづくりのステップをご説明します。これまでご紹介してきた多くの冊子づくりとも共通する部分はありますが、いずれも効果的なホワイトペーパーづくりのために欠かせないものですので、ぜひご参考ください。
ホワイトペーパーづくりの最初のステップは、ターゲットとする読者を明確に設定することです。それによってテーマだけでなく、本文の内容も大きく変わってきます。読者の製品やサービスに対する購買意欲の高さや知識レベルに応じて、本文で使用する専門用語の難易度や、取り扱う情報の深さを調整する必要があります。
次にテーマ設定をしていきます。この時、ターゲットとして想定している読者にとって価値のあるテーマを選ばなくてはいけません。読者の関心や課題を見失わず、有益な情報を提供できるテーマを選びましょう。
ターゲットの設定とテーマ選びが明確になれば、そこからの取材〜執筆〜校正はそのほかの冊子づくりと変わりません。また、デザインに関しても読みやすさや伝わりやすさを最優先とし、ビジュアル面からも訴求力のあるものにしていきましょう。
ホワイトペーパーにおすすめの製本方法が無線綴じ(くるみ綴じ)と中綴じです。どちらもそれぞれメリット・デメリットがありますので、目的やターゲットに応じてお選びください。冊子印刷ドットコムには実績多数のベテランスタッフが揃っておりますので、どんな細かな疑問にもお答えいたします。お気軽に何なりとご相談ください。
魅力あるホワイトペーパーを冊子にして、皆さんのビジネス拡大にお役立てください!