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印刷・製本コラム

冊子デザインのための知識「グループ化」

デザイン1

よく「私って絵が描けないからデザインなんて無理だわ…」とか
「あの人は服のセンスが悪いからレイアウトも下手なんじゃない?」なんて言葉を耳にします。
でも、本当にそうなのでしょうか?
世の中を見渡してみると、ちょっとやそっとでは読めないぐらい字が汚いのに優れた建築物の設計を行える人、とんでもない服を着ているけど、忘れることができないぐらい美しい写真を撮る人がいます(名前を出すのは憚られますが…)。


ですから大丈夫!
冊子づくりだけでなくあらゆるデザインのシーンで使える「まず、これだけ知っておけばどうにかなる」という知識が、今回のテーマ「グループ化」です。 皆さんの家を見渡してみてください。
玄関の靴の横に布団がありますか?
トイレの床にコーヒーカップが置いてありますか?
食卓の上にお箸とテニスのラケットが並んでいませんか(これはあるかも…)?
少し乱暴な例を挙げてしまいましたが、これがすなわち「グループ化」なのです。
つまり、皆さんは無意識のうちに、役割や用途に応じて見えない境界線を引き、あらゆる物を仕分けているわけです。


もちろん「机とペンが平行じゃないと気持ちが悪い!」とか「Tシャツは色別、しかも濃淡で並べておきたい!」という方もいるでしょうが、それは程度の差というもので、多かれ少なかれ私たちは自然とこのグループ化を行っているのです。



デザイン2





これを理論的に説明したのが、「神経科学界のシャーロック・ホームズ」との異名を持つ、 カリフォルニア大学サンディエゴ校の神経科学研究所所長を務めるヴィラヤヌル・S・ラマチャンドランという方です。
『脳のなかの幽霊』という著書は日本でもベストセラーになったのでご存知の方も多いかもしれません(この人もなかなかエキセントリックな服のセンスをお持ちのようです)。


彼は『脳のなかの天使』の中で、美意識に関する9つの理論とその神経生物学的背景を説明しています。
そこでグループ化について「人間の脳には視覚情報をパターン化したり意味づけしたりする傾向があり、近くに置かれたものや似ているものを無意識のうちにグループとして見なしています。これは人間の進化の過程で、外敵である野生の捕食動物を見つける必要性から身に付けられてきた進化的優位性です。
枝葉にさえぎられてその形がはっきりと見えなくても、所々に黄色が見えれば脳はそれを『グループ化』し、ライオンの形としてつなぎ合わせます。
逆にそれができなかった人たちは、残念ながらライオンの餌食になってしまうというわけです」と述べています。


つまり、私たちは生まれながらにして「グループ化」という生き延びるために身に付けた性質を持っているのです。
これを冊子のレイアウトやデザインに生かして、複数の情報を正しく関連付け、意図した優先順位で伝えていこうというわけです。


グループ化の基本として、「近接・類同・閉合」という3つのルールがあります。まずこれを意識していきましょう。それぞれを説明すると
近接=要素(情報)同士の距離を調節する
類同=同じ色や書体でまとめる
閉合=背景や罫線による囲みを用いて要素を区切る
ということになります。


具体的な手順として
‘韻鍵嫐や役割を持つ要素を見つける。
関連性の高い情報同士を近くに配置し、まとまりを視覚的に認識しやすくする。
4慙∪の低い情報同士には適切な距離(余白)を作り、関連性がないことを示す。
という順番でグループ化を行っていきます。


ただし、グループ化が細分化されすぎると逆に伝わりにくくなってしまいます。
一般的に、読者にグループを強く意識させるためには、2〜3のグループに留めておくのが良いと言われています。


では、以上の情報を元に皆さんが「これは読みやすいな」と感じる冊子やカタログ、パンフレットを見てみましょう。
そこにはどのようなグループ化がなされているでしょうか?
実際に線でも引きながら見てもいいかもしれません。
これはあくまでもご自身が「○○だから読みやすい」という感覚で構いません(ご心配なく!正解なんてありません)。


普段の通勤電車で見かける中吊りやスマホで見ている通販サイト、そういったものにもヒントはたくさん隠されています。
皆さんが「読みやすい/読みたくなる」ものと「読みにくい/読みたくない」ものを比べ、その理由を自分なりに探っていくことでレイアウトやデザインに対する見る目が育っていくわけです。


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