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シラバスって何?冊子で発行する際の注意点をご紹介

シラバス1


前回、学生便覧についてご紹介しました。その際、シラバスとの違いについてご説明しましたので、今回はその「シラバス」についてあらためてその意味や冊子発行の際の注意点について解説したいと思います。


「シラバス(syllabus)」という言葉の語源は、ギリシャ語の「シッリュボス(σιλλυβος)」で、もともとは「羊皮紙のラベル」を意味していました。 この言葉はアメリカの学校で一般的に使われ、近年日本の学校でも広まってきましたが、実はヨーロッパではあまり浸透していないようです。アメリカでは、学外から招かれる教員も多く、講座ごとに内容や方針が異なるために、シラバスには単なる授業概要だけでなく、教員の連絡先など様々な情報が含まれており、学生にとって重要な情報源となっています。


これに対して日本では、伝統的に教員の多くが学校に所属し、学校としての統一的な教育方針が重視される傾向にあり、シラバスは主に授業計画を指すものとして捉えられています。このため、この言葉が一般的になった歴史は意外と浅く、おそらく20年ほど前からだろうと言われています。


日本でシラバスという言葉が一般的に認知される以前は、主に「授業計画」や「講義概要」という言葉が使われていました(こちらの方が内容をイメージしやすいと思うのは私だけでしょうか……)。


前置きが長くなりましたが、端的に言うとシラバスとは、授業の概要や目標、進め方、成績評価の方法などがまとめられたものです。大学や高等教育機関などで用いられることが多く、授業の目標と概要、授業で扱う主なテーマ、授業計画、必要な教科書やテキスト、参考文献、成績評価の基準と方法、受講に当たっての注意事項などが記載されています。


このように、学生にとってシラバスは、履修登録時に授業の内容を理解するための重要な資料であることは言うまでもありません。また、授業を担当する各教員にとっても、授業の設計と円滑な実施のための指針となっています。あらかじめ提示されたシラバスに沿って授業が進められることで、学生と教員の双方にとって、授業の目的や進度が明確になります。つまり、シラバスは大学教育において教員・学生双方に重要な役割を果たしているわけです。



シラバス2




ところが、最近では「シラバスもきちんと読まずに授業に参加する学生が多い」という教員の方の声を耳にすることが増えてきました。それは若者の「活字離れ」と無縁ではないような気がしています。きちんと読まれるシラバスにするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか?


次に挙げる注意事項はシラバスだけの問題ではなく、どのような冊子を作るに当たっても共通するものですので、学内の配布物や印刷物に関わる方にはぜひお読みください。


1)正確性の確保
授業内容、スケジュール、成績評価基準などの情報に対する校正・校閲を厳重に行う
最新の情報が反映されているか、常にアップデートを怠らない


2)冊子全体で体裁に統一性を持たせる
シラバス全体を通してのデザインやレイアウトをルール化しておく
見出し・本文の書体や文字サイズ、余白なども含めページの統一ルールを設ける
学部やコース間でバラバラな印象を持たせないように気を配る


3)分かりやすい表現を心がける
「このくらいは分かるだろう」と考えず、平易な言葉遣いを心がける
図やイラストを活用し、視覚的にも理解しやすくする
現代の学生の個性を理解し、簡潔かつ明確に記述する


4)発行スケジュールの厳守
履修登録の時期に合わせてスケジュール管理をする
発行後に漏れがあったものを追加発行しないように注意する
学内に編集委員を置き、印刷会社との調整の窓口となる担当者を決めておく


5)電子ブックを発行する
電子版と印刷物では、締切時期が違うため内容に齟齬が生まれないようにする
大学ウェブサイトで公開先する場合には、サイトデザインとの関連性に気を配る


6)個人情報・著作権への配慮
教員の連絡先などの公開範囲について慎重に議論する
参考文献の引用や画像転載がある場合には、学内資料といえども権利関係を確認する


いかがでしょうか?読みやすさや不要なトラブルを避ける方法など、どのような冊子にも共通の注意事項であることはご理解いただけたと思います。


先ほど電子ブックの必要性にも触れましたが、近年ではシラバスを電子化し学校サイトで公開することが多くなっています。これには検索性の向上や更新と配布の省力化、マルチメディアコンテンツによる理解度の向上、学習管理システムとのリンクのしやすさなどが背景にあります。


冊子印刷ドットコムは全国の多くの大学とのお取り引きの実績がありますが、特に弊社の地元である関西では国公立私立を問わず、多くのシラバス制作を承っております。やはりWEBでも公開用データをご希望されることも多く、閲覧用に無線綴じ(くるみ綴じ)冊子を必要な部数だけご依頼いただくと同時に、弊社の電子ブック作成サービスをご利用いただいております。


前回の学生便覧同様、シラバス制作にも豊富な経験を持つ冊子印刷ドットコムに、ぜひお客様の大切な冊子づくりをお任せください!

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