多ページ冊子には台割表が必須です
大学の紀要や研究論文から企業の報告書など、冊子には数百ページに及ぶものがあります。これらの冊子づくりに欠かせないのが「台割表」と呼ばれるものです。
これは冊子のノンブル(ページ表記)、各ページの内容、それぞれのページで用いられる用紙やカラー/モノクロの印刷種別などが記された一覧表です。今回はこの台割表の重要性や作り方などをご紹介していきます。 台割表というのは、デザイナーや編集者はもちろん、印刷会社の担当者まで、制作に携わる誰もが「これを見れば冊子の内容が一目瞭然」となるものです。いわば「冊子の設計図」とも言えるもので、これは冊子のページ数に関わらず用意しておくことをおすすめします。
いわゆるペラ(単ページ両面印刷)や2つ折り(4ページ)のものであれば、メモ書き程度のものでもどうにかなりますが、これが数百ページに及んだ場合、「〇〇さんのインタビューって何ページから何ページまでだっけ?」と聞かれて即答できるとは思えません。そのたびにメモをめくっているようでは、限られた納期の中で生産性を高めることはできないわけです。
また、台割表なしで制作が進んでいき、「束見本」と呼ばれる製本見本を作った時に「見開きになるはずなのに、1ページずれていた」とか「最終ページに不要な白紙ページが発生してしまった」といった失敗談をよく耳にします。
制作を効率的に進めたり、大きなミスやトラブルの発生を未然に防ぐためにも台割表は必須なのです。
台割表は冊子の企画の初期段階で用意することをおすすめします。予算を優先して限られたページ数に必要な情報を盛り込まなければならないのであれば、この段階で無駄な空白ページを削らなくてはいけません。
また、多数の執筆者や取材対象者、参照すべき資料などがある場合は、漏れがないようにページを振り分けるように注意する必要があります。
会社案内など少ページ印刷の場合はデザイナー本人が台割表を作るケースがあります。台割表がプレゼンのカンプを兼ねる場合も多く、サムネイル的なラフデザインをこの段階で作ってしまうということもよくあります。
多ページ冊子の場合は、進行管理責任者や監督者(ディレクター)、編集者が台割表を担当することが多く、ここで想定されたページ数、使用する用紙や体裁を基に印刷会社に見積もりを依頼するということになります。
また、この段階で各ページの入稿締め切りや校了期限、カメラマン撮影手配の有無、編集担当者などが明確になっていると台割表の精度はかなり高まります。
冊子の内容だけではなく、進捗状況も一目で分かりますから、別途進捗表などを用意する手間を省くこともできるわけです。
いずれの場合も、1つだけ注意すべき前提があります。それが「1ページ目をどこからカウントするか」ということです。
少ページの印刷物であれば表紙をめくったところから1ページ目がスタートすることが多いでしょう。
しかし、多ページ冊子の場合、多くは表紙をめくったいわゆる「表2」は白紙となり、次のページから目次やインデックスなどがスタートします。また、さらに白紙ページを挟むこともあります。
こういった場合、どこから「ノンブル」と呼ばれるページ数表記をスタートするのかを台割表で明確にしておかなくてはいけません。
ここが曖昧なままだと、例えばライターが言っている「26ページ」がノンブルの26ページ目なのか、台割表の26ページ目、言い換えれば26行目なのか齟齬が生じてしまいます。
ですから、台割表は必ずメンバー内で共有し、更新があった場合はその内容を連携する必要があるわけです。
これを欠かすと、「目次と実際のノンブルがずれている」というよくある初期の誤植が発生しがちとなります。
ちなみに、「台割/台割表」と誤解されやすい言葉に「割付/割付表」があります。
割付というのは各ページのタイトルや小見出し、あるいは本文で用いられる書体やサイズ、文字数や行間・文字間、写真の大きさや各デザイン要素の配色などが記されたものです。
つまり、割付表というのはページ個別のレイアウトやデザインを記したもので、どちらかといえばデザイナーにとって必要な情報が記されたものということができます。
これに対して台割表は、先ほども述べたように冊子全体の設計図となります。
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