機関紙を印刷する時のポイントとは
「何年もリニューアルしていない機関紙をもっと魅力的にしたい」「機関紙を作りたいけど、どこから手を付けていいのか分からない」といった疑問をお持ちの皆さんのために、今回は今よりも役に立ち、多くの人から求められる機関紙の作り方をご紹介していきます。
まず初めに、そもそも「機関紙とは何か?」ということからご説明していきましょう。機関紙とは、官公庁や政党、団体など公的な活動を行う組織が、その政策や方針、主義や主張、活動の内容などを発信するために発行する印刷物のことを指します。また、団体や組織のメンバーに向けた情報交換の手段としても用いられています。 その歴史は17〜18世紀ごろまでさかのぼり、ヨーロッパで前近代的政治権力とそれに対抗する近代的政治団体とが、互いに印刷物によって外部への働きかけを行うようになったことが始まりだと言われています。20世紀に入ると、主に社会主義政党やグループがその役割を特に重視し、発行が活発化しました。
日本では明治10年代から政党機関紙が発行されるようになりましたが、第二次世界大戦後、市民の政治に対する関心の高まりと共に、各政党や労働組合、宗教団体などの多くが機関紙を発行するようになります。近年では、市民運動をはじめ各種グループによるサークル機関紙の発行が増加しています。
ちなみに、「機関紙」と「機関誌」という2つの言葉が使われていますが、厳密には新聞のような体裁の場合は「機関紙」、綴じがある雑誌スタイルの場合は「機関誌」と表記するそうです。現在では、判型や体裁を問わず「紙」を用いるケースが多く、冊子印刷ドットコムもホームページ上では「機関紙」としています。
このような機関紙の歴史を知ると、発行に際しての注意点が次のように見えてきます。
・目的とターゲットを明確にし、広く浅い記事にならないようにする。
・読者が求めている情報を提供する。読者のニーズに合った記事構成とする。
・定期的に発行することで、読者の習慣化を図る。
・編集方針を整理し、統一感のある構成やデザインにする。
・信頼性を維持するために掲載内容のファクトチェックを怠らない。
・予算を計画的に使う。印刷費、人件費などをあらかじめ算出しておく。
もちろん、これらは機関紙に限らず全ての印刷物にも共通するものですが、あらためて確認しておくようにしましょう。
では、実際に紙面をデザインするに当たってどのような点に気を配るべきかという具体的なポイントをいくつかご紹介します。
・読み手である団体のメンバーや、訴求しようとするターゲットを意識したデザインが必要です。ロゴの配置や色彩、レイアウトなどに気を配り、団体が持つイメージに沿った一貫性のあるデザインを心がけましょう。
・読みやすさに配慮して、文字の大きさや行間、段落の構成などを検討しましょう。
・記事数や写真、文字数など、コンテンツの量が過少・過多にならないように情報量を適切に調整して、バランスを整えていきましょう。
・読み手の興味を最後まで維持するために、効果的な見出しや記事の構成を意識しましょう。
・様々なジャンルの記事が混在しても、シンプルかつ統一感のあるデザインによって全体の一貫性を保つようにしましょう。
これから新規に機関紙を発行する方はもちろん、「読者が増えなくて悩んでいる」「記事に対する反響が薄い」などの課題を抱えている方も、このようなポイントから外れていないか、検討する必要があります。
いずれにしても、
・PRやイメージアップ
・活動や事業内容の情報発信
・関係者への広報・宣伝、コミュニケーションツールとしての役割
・組織の規範や方針の浸透
・組織文化の醸成
・組織のアイデンティティの表現
を目的としているわけですから、皆さんの組織の存在感を高め、イメージ形成を行い、関係構築に役立てるために、常にターゲットとなる読者を意識し、組織の強みや魅力を効果的に発信するメディアとなることを目指していきましょう。
世の中には本当に多種多様な機関紙が存在します。しかし、その多くは一般に流通しているものではなく、書店などで購入することはできません。そのため、インターネット上には全国の機関紙を紹介するサービスもあります。せっかく作り上げた機関紙ですから、このようなサービスを利用して新たな読者を開拓することもおすすめします。
機関紙は月1回や年1〜2回、あるいは季刊など定期的に発行されることが多く、数ページから数十ページまで、その形態や仕様もさまざまです。8ページ程度であれば軽量で配送料も抑えられ、印刷費も比較的低コストな中綴じ印刷、数十ページとなるものであれば本格的な体裁に仕上がる無線綴じがおすすめです。
冊子印刷ドットコムは、長年の官公庁様との機関紙制作の実績を元に、お客様のご希望に応じた印刷・製本方法をご提案いたします。また、定期刊行物のお得な割引サービスもご用意しております。機関紙の発行をご検討でしたら、ぜひ一度冊子印刷ドットコムへお問い合わせください!