冊子印刷ドットコム-HOME » 印刷・製本コラム » 秋をイメージさせる紙って?

印刷・製本コラム

秋をイメージさせる紙って?

本といちょう

「せっかく印刷するんだから、表紙はきちんとしたものにしたいけど、写真とか使ってカラーにすると高くなるし……」
「季節感のある表紙にしたいけど、デザインに時間もお金もかけられないし……」
というお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?


そんな時は、用紙選びを工夫することで高級感や季節感を演出することができるんです。 そこで、冊子印刷ドットコムがこの秋におすすめしたいのはこの紙、「みやぎぬ」です。


みやぎぬという紙は、平安王朝の貴族女性の宮廷における衣服であった「唐衣裳装束」をモチーフとした上品で華やかな色合と風合いをイメージさせる用紙で、まるで着物のような少しザラつきのある質感を持ち、心地よいさわり心地が特徴です。1988年に発売されて以降、これまでさまざまな商品に用いられてきました。


ちなみに「唐衣裳装束」というのは、いわゆる十二単(じゅうにひとえ)のことで、平安時代後期になって成立した、公家の女性の正装のことです。最盛期には 20枚も重ねら、その重さは20キログラムほどにもなったそうですから、当時の女性の大変さが忍ばれますね。


それぞれの衣の色合いについては、季節感を取り入れた組み合わせになっていました。春夏秋冬・あるいは植物などをテーマとしたグラデーションなど膨大な種類があり、着用の季節や行事は厳密に定められていました。


さらに、季節感などを無視した組み合わせを身に着けることはマナー違反、あるいはセンスがないと見なされ、当時の女性が工夫を凝らして装ったことが、当時の様々な文献に残っているそうです(この辺りの苦労、今も変わっていないのかもしれません……)。


このような唐衣裳装束をモチーフとしているわけですから、季節感を表現する用紙にはうってつけとも言えます。冊子印刷ドットコムでの人気色は
・あじさい
・古染
・桜
・すいせん
・絹
そのほかにも、
・銀
・こうぞ
・こがね
・苔
・つゆくさ
・ねず
・山吹
・りんどう
といったラインナップを取り揃えています。いずれも渋めで淡い色合いですが、「秋」というイメージで考えると、古染・苔・こがねなどがいいかもしれません。
色名だけではなかなか実際の色合いをイメージしにくいと思いますので、こちらも参考になさってください。


冊子印刷ドットコムでご用意している厚さは130K・170K・200Kとなっております。用紙に凹凸があり、細かな文字や線を鮮明に印刷することは難しい用紙ですので、どちらかというと表紙向けで、本文に適した用紙ではありませんからご注意ください。


用紙から受けるイメージとしては、やはり「高級感」「和風」ということになるかなと思います。和菓子やお茶をお使う販売店のショッパー(手提げ袋)やショップカード、日本料理店のメニューなどに用いられています。また、ちょっと変わったところでは、その手触りの良さを生かして子ども向けの絵本などにも用いられることがあります。



秋 和菓子


このようなイメージから、冊子印刷ドットコムのお客様からは、句集・歌集などの季節感が必要な作品集、高級感・信頼感を持たせることが必要な論文集や各種報告書などで人気の用紙です。


しっかりした厚みがあり、くるみ綴じや中綴じ製本の印刷物に最適な用紙でだと言えます。もちろん、平綴じでもお選びいただけるのですが、平綴じならではのお手軽感や持ち運びやすさを多少スポイルしてしまうかもしれません。


注意点としては、色味のある用紙なので、カラー印刷すると下地の色の影響を受けます。ですから、写真を配置すると、想定したような色味に仕上がらないことがあります。逆に、シンプルに黒文字だけでレイアウトする方が用紙の質感を最大限に生せ、高級感や季節感を演出しやすいと思います。


「どうしても表紙の文字はカラーにしたい」ということでしたら、通常のCMYKインクによる4色印刷ではなく、「特色印刷」というオプションもありますので、ぜひご検討ください。詳細はこちらからご覧いただけます(印刷インクの違いについては、機会を改めてご説明します)。


現在、デジタルメディアとアナログメディアの最大の違いというのは、「質感を感じ取れるかどうか」という直接的な体験の部分だと思います。急激に進化していくデジタル技術ですから、いずれはそれもできるようになるのでしょうが、今のところ印刷物に関わる体験に直接影響するものが「用紙」であることは間違いありません(もちろんインクの匂いなんていう方もいらっしゃるでしょう)。


今回ご紹介した「みやぎぬ」以外にも、イメージを喚起し、豊かな印刷物体験を提供する用紙はたくさん世の中に存在します。冊子印刷ドットコムでは沢山の用紙をご用意し、お客様の印刷物をより魅力的なものにするお手伝いをいたします。
「こんなことができたらいいのに……」
「こんなふうにできないのかな……」
そんな疑問やご要望がございましたら、ぜひ冊子印刷ドットコムにお問い合わせください!

最新記事


冊子印刷ドットコムに電話で相談する

お問い合わせフォーム


© 株式会社春日 All rights reserved.

このページのトップへ戻る