無線綴じと中綴じならどちらを選べば良いの?おすすめは?

冊子を作る時、製本方法というのは色々なものがあります。
冊子の製本方法の中でも中綴じや無線綴というのはとても一般的な製本方法になります。
無線綴というのは文庫本や参考書などといった様々な製本において用いられる製本方法でご自宅にある本はもちろん書店で販売されている本の多くはこの無線綴によって製本されています。
それではこの中綴じ、無線綴のメリットやデメリットについてわかりやすくご紹介していきます。
無線綴じってなに?
無線綴というのは本文の束になっている背の部分を、専用の接着剤を使用してしっかりと固めてくっつける製本方法です。
その固めた部分を表紙に使用する用紙で包むように綴じる製本方法になります。
そのため無線綴じとは別名で、くるみ製本と呼ばれることもあります。
無線綴の最大の特徴は接着剤を使用して背の部分をしっかりと固めることにより、冊子そのものの強度を高めることができる点です。
と同時にある程度の厚みが必要不可欠です。
より強度の高い冊子を作りたいような場合にはこの無線綴じがおすすめです。
何度も読み返す文庫本や参考書など、強度が必要な冊子に対して、無線綴が用いられるのは強度を高めることができるからです。
また、背の部分に厚みを持たせることができますので、背表紙に名前を入れることができます。
もちろん名前だけではなく様々の文字を入れることができますので中綴じよりも本棚で保管することを考えるとメリットが大きいのではないでしょうか。
ただし、どのような冊子においてもこの無線綴じが使用できるのかといえば実はそうではありません。
無線綴じ製本をするのに適しているのはページ数が偶数でありなおかつページ数が60ページ以上の冊子になります。
その一方で中綴じはページ数が少なくても製本することができます。
また、中綴じで製本するとページが180度開くため、開いたままの状態を維持できます。
資料として読んだりする時には、このような開いたままの状態で維持できるのがメリットになります。
無線綴じはなんといっても高級感がありますし、長期間保存するうえで効果的です。
特殊な接着剤で固めて、製本しますので無線綴じにした冊子の背部分は平らに維持でき、背表紙に文字入れできるだけでなく高級感も出ますよね。
そしてページ数における縛りが少ないのもメリットです。
無線綴は特殊な接着剤を使用して製本しますので中綴じのように必ずしも4の倍数のページ数で製本をしなければならないということはありません。
100ページ以上のページ数の冊子においても用いることができます。
中綴じのようにホチキスを使用しなければならない場合には、ページ数が多いとホッチキスの芯が届かず充分な強度を維持することはできませんが、無線綴じであればそのようなこともありません。

ただし無線綴にデメリットがないのかと言えばそうではありません。
無線綴は特殊な接着剤を使用するときに使用できるページ数が多くなりますので中綴じに比べるとコストが高くなります。
無線綴は背表紙があるために高級感のある仕上がりになりますが、中綴じに比べると複雑な工程が必要になってきますので中綴じに比べるとコストもかかりますし、完成するまでに時間がかかります。
短い時間で製本を完了させたいという場合には無線綴じはあまりお勧めできません。
またページ数が少ない冊子には適していません。
本文のページ数が少なく厚みが不足していると背の幅が小さくなってしまいますので無線綴での製本はあまり意味がありません。
また、接着剤の量も少なくなりますのでページが抜け落ちやすくなりますので無理をして無線綴じにする必要はありません。
そして無線綴はある程度分厚くなりますし専用の接着剤を使用しますので見開きページはしっかりと開きません。
ノド部分がどうしても見づらくなりますので、ページのギリギリにまで文字を入れてしまったり写真を入れてしまうとどうしても見づらくなります。
写真集や地図などを見開きで製作する場合には見開きにした時のデザインもしっかりと考慮した上で文字や写真を配置していかなければなりません。
もちろん、中綴じの場合にはそのような心配はいりません。
中綴じにはもちろん、無線綴じにも良い点、悪い点があります。
最も重要なことは、より理想としている冊子を作るうえで、どの選択をするのがベストなのかです。
一度にたくさんの冊子をつくらなければならず、1冊あたりのページ数が多くないのであれば中綴じを選択するべきです。
また、納品までに時間が十分ではなく、できるだけ早く納品しなければならないのであれば中綴じの方が良いでしょう。
納期が十分にあって、ページ数が多いのであれば無線綴じがおすすめです。
このように製本方法を選択する時にはページ数、用途、納期までの日数などを十分に考慮したうえで選ぶようにしてみてくださいね。