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印刷・製本コラム

くるみ製本もどんな製本も基本的な工程は同じ?

無線綴じ機ss

本作りにおいて製本方法は様々あります。
しかし、基本的にデータの作り方や、製本までの工程というのは大体同じです。

印刷用データを作成すること


まずは印刷用のデータを作成します。
当然なことですが、印刷するためには元いなているデータが必要になります。
このデータを作るうえで重要になるのが、ページの配置です。
本のような大量印刷物というのは、1ページ、2ページずつ印刷をデータにして印刷するわけではありません。

ほとんどの場合には、大きな紙に復数のページ分をまとめます。
そしてそれを印刷しますので、できるかぎり無駄のないように配置する必要があります。
必要以上にページ間の隙間を開けてしまうと、一枚の紙の中に何ページもまとめるのですから、隙間をあけると入るページ数が少なくなってしまいます。

そのため、できるだけ紙のムダが出ないように配置してください。
本、紙のサイズにもよるのですが、大型本は片面8ページで、文庫本のような小さくなる本の場合には片面32ページというのが一般的です。

いよいよ印刷!


くるみ製本だけに限らず、できあがったデータは専用の機械に転送します。
アルミ製の版を出力しますが、これを刷版といいます。
ただ、版画のようにデコボコがあるわけではありません。
水と油とが強く反発する減少を利用して、色のついてほしいところにだけインクが付着すようにします。

印刷機に版をセットしますが、印刷ユニットには常にインクが流れている状態です。
イエローからマゼンタ、ブラックといったように並んでいるのですが、大きな版が吊るされるようにして印刷ユニットにセットされていきます。

印刷が開始されると、印刷機のローラー部分に巨大な紙がどんどん巻き込まれていきます。
4色が絶妙に組み合わさって、求めている色に仕上がっていきます。
そのスピードはとても早く、あっという間に大量の印刷物ができあがります。

断裁機

大きな紙をカットする裁断


本文が刷り上がると、ここからいよいよ製本のステップに入ります。
1つの紙に復数のプリントがなされていますので、この1つひとつをカットしていきます。

まだまだサイズが大きいため、ここから更に上を折っていきます。
製本するために折り畳まれている紙のことを、折丁と呼びます。

専用の機械で軽く折り目をつけてから、ローラーで挟み込みます。
薄い紙を高速で良い大きさに折るというのは、とても繊細な作業です。

折丁がたくさんできると、今度は実際の本のページの順番に重ねていきます。
このような作業を丁合というのですが、長さ数十メートルという大掛かりな機械を使用して行います。

いよいよ作業も終盤です。
本文と表紙とをくっつけていきます。

この時に使用されるのが、あじろ綴じという方法と、糸かがり製本のどちらかです。
あじろ綴じは、折丁の背中に切り込みを入れて接着剤を染み込ませていく方法になります。
強度が上がるのですが、その分本が開きにくくなります。

糸かがり製本は、あらかじめ折丁を糸でかがる方法になります。
接着剤の量を最小限に押さえることができるので、開きがとても良くなります。

表紙と本文とがくっつく瞬間、つまりくるみ製本がくるみ製本と呼ばれる理由が分かる瞬間です。
糸でかがった本文を万力でプレスして厚みを均一にして、背の部分に高速回転しているローラーでのり、芯をつけます。
そこからくるむようにして接着していきます。

そして最後は手作業になります。
表紙カバー、帯をつけます。

このようにくるみ製本というのは様々な工程を経て、作られています。
ただ、必ずしもくるみ製本でなければならないのかといえばそんなことはありません。

そもそもくるみ製本というのは、強度が高く、なおかつコストを抑えることができます。
ただ、それはすべての冊子に対して有効だとはいいきれません。

というのも、例えば見開きのデザインを重要視している場合です。
これはくるみ製本のメリット・デメリットを確認してみるとわかります。

くるみ製本は、比較的丈夫で、長期保存にも向いている製本方法です。
そしてページ数が多い冊子にむいています。

背表紙に文字を入れることができますし、本棚に並べた時に探しやすいです。
なにより安く仕上げることができるというのは非常に魅力的なことだと思います。

また、色紙などを使用して仕切紙を入れられるというのも魅力の1つだといえます。
ただ、この万能に思えるくるみ製本ですが、中綴じなどに比べるとページを完全に開くことができないので、見開きを一面イラストや写真にしたい時にはどうしても折り込まれている部分が見えなくなります。

また、何度も繰り返し使用していると、背ののりから外れてしまうこともあります。
何度も何度も繰り返し読む参考書、見開きのデザインが重要な写真集などにはあまりおすすめできません。

それでもコストを抑えつつ、なおかつある程度丈夫な冊子を作りたいと思うのであれば、このくるみ製本はとてもおすすめです。

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