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印刷・製本コラム

フォトブックにPUR製本が選ばれるのはどうして?メリットや特徴を教えて

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このPUR製本は、PURという特殊な糊を使用した無線綴じ製本になります。

PURは、Poly Urethane Reactive Hot-melt Adhesiveです。
つまり、ポリウレタン 反応系 熱溶融 接着剤という意味になります。

PURは、水に反応するという性質を持つポリウレタンを素材にしているゲル状の接着剤で、空気にふれることがないようにパックされています。
接着するものに対して塗布すると空気中に含まれている水分に反応します。
そして硬化していきます。

硬化反応が終了すると接着力の極めて高いフィルムになります・
PUR製本では、本文を無線綴じにする時には背の部分に製本糊を使用しますが、その時にPURを塗布します。

PURの特性や使用するメリット


従来の無線綴じの場合には、エチレンビニルアセテートを素材として使用しているホットメルト接着剤が使用されてきました。
PURは製本糊としての歴史がとても浅い接着剤なのですが、これまでのホットメルト糊にはまずない非常に優れた特性を持っています。
やはり、まずは接着力が強いということです。

PURにはEVAの数倍もの接着強度があります。
少量でもしっかりと閉じることができますので、製本糊を塗る層を薄くできます。
EVAの背糊の厚さが1mmから1.5mmである一方で、PURでは厚さ0.3mmから0.5mmという非常に薄いフィルム状となっています。
少ない塗布量であり、それでいて本文ページをがっしりと固定し、ページが脱落してしまうのを防げます。

また、PURは一度硬化してからも、柔軟性が非常に高いという特徴があります。
PURが固まっている状態でEVAの2倍前後の伸張率を誇ります。
PURを使用した無線綴じなら、ページの開きがとても良く、見開きの状態でノド元までしっかりと読むことができます。
完全にフラットになるわけではありませんが、かなりしっかりと開きます。

そしてインキ溶剤に反応しないのも大きな魅力の一つだといえるのではないでしょうか。
EVAの場合にはインキ溶剤に反応し、印刷部分がどうしても接着しにくいです。
これは無線綴じにおいてページが脱落してしまう大きな原因となっています。
しかし、PURは耐溶剤性に極めて優れており、印刷インキ溶剤によって接着力を失ってしまうこともありません。

PUR製本の耐溶剤性によるメリットですが、喉元まで印刷されている本文ページであってもがっしりと保持して、ページが落ちてしまうのを防ぎます。
コート紙、アート紙といった塗工紙に対してでもしっかりと強い保持力を発揮してくれますよ。

また、耐熱性に優れているのも魅力的です。
PURも硬化が進行している段階においては加熱すれば軟化させられます。
ただ、硬化反応が終了してしまうと、高い耐熱性を持っており、加熱による軟化、溶解が起きにくく劣化しにくくなってしまいます。

EVAは40から45℃で溶解がはじまるのですが、PURは古紙リサイクルの溶解過程で熱によって背糊が溶けません。
そのため、背糊を完全に取り除けるため、リサイクル生が高いという特徴があります。

アルバム

実用的でもある


PUR製本による冊子というのは、コピーがとりやすいというメリットもあります。
今までの製本では、ノド元まで開かないようにするためにコピーが取りにくくなっていました。
しかし、PUR製本の場合にはノド元まで開きやすいですのでコピーもしやすく、影が映ってしまうこともありません。
報告書や資料など、一日に何度も何度もコピーをするような冊子の場合には、この開きやすさ、コピーのしやすさは極めて重要なポイントになります。

そして前述したように、耐熱性に優れ、長持ちします。
PUR製本は長期保存が可能です。
PUR製本は温度変化に強く、長持ちしやすいという特徴があります。

夏場の気温が上がる時期に、車の中に本を置きっぱなしにしていたために、本がバラバラになってしまった、という経験はありませんか?
PURは夏場の暑い車内に本を放置していたとしても接着剤が溶けてしまうような心配はいりませんよ。

マイナス30度からプラス100度という範囲内で冊子の形状をしっかりと維持してくれます。
今までの製本であれば過酷な環境においては紙の引き抜け、本の割れといったものが発生してしまう可能性もありましたが、PUR製本は、そうした心配がありません。
糊の接着強度が高く、ちょっとした熱くらいではページの脱落が起きてしまうこともありません。
丈夫で長持ちする冊子を作れますので、記念誌のように長期的に大切にする冊子にはとてもおすすめです。

普通の製本方法に比べれば、コストはかかってしまいます。
しかし、大切にいつまでも保管しておきたいもの、重要な内容が記載されている冊子などの場合には、コストがかかってもPUR製本の方が安心ですよ。

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